【ざぶん環境賞】それでも大切
七月十三日の夜、雨がふりだした。梅雨の季節だったので、雨がふるのはあたりまえだっ
た。
次の日、とても大きな雨音で目が覚めた。家のまどから外を見ると、いつもおだやかな流
れの矢部川が一段下の畑まであふれていた。わたしはびっくりしたと同時になんだかこわく
なってきた。だから、テレビを見てこわい気持ちをふき飛ばそうと思った。
テレビを見始めて三十分位たった時、町の有線放送でひなん指示の知らせがあった。ます
ますこわくなったわたしは、急いで二階に上がり、もう一度川を見た。川は、すごいいきおい
で流れ、たくさんの木材なども流れてきた。川の向こう側の道路は、大雨でふえた水が大人
の人のひざくらいまであがってきていた。たくさんの雨水や土砂崩れで、赤くにごった川の
水を見ていると、とてもこわくて不安だった。その時、パッと電気が消えた。停電だ。停電す
ることはあまりないが、この日は、ちがった。五分もたつと電気は付いた。が、一分もたたな
いうちに、また電気は、消えた。そのくりかえしで、夜になった。
七時半ごろになって、ようやく電気が付いた。電気が付いたと同時に、お母さんが、
「おふろ、おふろに入らんね。今入らんと、また停電するかもよ」
と言った。そうだった。停電すると、電気が消えるだけではなく、水まで出なくなるのを、わ
すれていた。だから、トイレも、手を洗うことも出来ないのだ。
必要な時、いつでも使えると思っていた水。しかし、今回の豪雨であらためて水の大切さ
ということを実感した。水は、生活する中で、必ずなくてはならない物だけど、時にはとて
もおそろしい顔を見せる。水の力だけで何けんの家がくずされただろうか。土砂崩れや、川
のはんらんで、何人の方が亡くなっただろうか。あの大雨が一時間、二時間早くふり出して
いたら、もっと多くの犠牲者がでていたと思う。
次の日は、前日の大雨がうその様な快晴だった。あちこちの道が通行止めになり、緑いっ
ぱいだった山々の木がたおれ、土砂崩れで茶色になっている所が数多くあった。
一か月たった今も、川にはひどい爪痕がのこっている。橋に流木がひっかかっていたり、大
きな石が流れてきていたり。
水は、この世に必ずなくてはならない物。今後は節水に心がけ、水を大切にしていきたい
と思う。


