【特別賞】ウーパールーパーの独り言
私はメキシコサラマンダーのモモコ。川に住んでいるの。人間の世界では、ウーパールーパーと呼ばれ
ているのよ。私の自慢は、この顔の横についているひらひらのえら。メキシコサラマンダーは、ほどよい 水流ときれいな水を保てば立派なえらがつくれるのよ。私たちは呼吸をするためにえらがとても重要な の。水がよごれていると、えらがとけてしまうんだ。悪化すると、命を落とすこともある。だから、メキ シコサラマンダーにとって、きれいな水はとても大切なんだよ。
今は快適に過ごしているけど、昔はこんなにきれいな川ではなかったの。その時の話をするね。 私たちが暮らしているこの場所は、前はもっと広くてのびのび泳ぐことができる素敵な場所だったん
だ。でも、いつの日からか、人間たちが住むために水のある場所を埋めてしまったり、大きな橋を造った りして、どんどん狭くなっていったの。それだけじゃなくて、いらなくなった物を置いていったり、流し てしまったりして、水の汚れもひどくなっていったんだ。
私の仲間たちも、同じ川に住む動物たちも苦しかったわ。弱って死んでしまった仲間もたくさんいた
の。きれいな場所を探して泳いだけど、同じことのくり返しだったの。川の先の海の動物たちも、苦しん でいるといううわさも聞いたわ。とうとう同じ仲間がいなくなってしまったという動物にも会ったわ。私 は、その時の怒りと悲しみは、今でも忘れられないわ。
でも、そのころ、少しだけ、私のまわりが静かになったの。ある魚が、人間たちは自分たちの生活が快
適になって、少し考えかたが変わったのだろうって言っていたわ。そのころから、少しずつだけど、住ん でいる周りの植物が増えて、水がきれいになったなって感じるようになってきたの。人間たちが、私たちの苦しみに気付いてくれたのか、もうすることがなくなってしまったのかはわからないけど、とにかく、 水の汚れは止まったの。
少しずつだけど、時間をかけて、水は元の水に戻っていったの。埋めてしまった場所や、造ってしまっ
た橋はそのままだけれど、水質だけでも戻ってくれたことは、本当にうれしかったわ。そのおかげで、私 の仲間も増えていって、わたしは立派なえらを持つことができるようになったのよ。
これからも、このような状態を保ってくれるといいけど、そのようにするためには、あなたたち人間が、川のこと、水の生物のことをよく知って、よく分かって、よく考えてくれることが大切なんだ。動物も人 間のおかげで助かることもあるけど、人間のせいでいなくなってしまうこともあるんだよ。私たちもあな たたちと同じように、たった一つの立派な命があるのよ。お互いを理解し合って、お互いの命を大切にし て行きましょうよ。


