2012年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  宮内 優希

【特別賞】未来に残すもの

  家に帰ってまず初めにすることは手洗い、うがい。 手を石鹸で荒い、うがいをする、ごく単純な事を毎回する。 が、必ず一回は母に怒られてしまうのだ。

「お水、もったいない」

この年でこんなことを言われるとは、はずかしいが、自分でもそのくらいわかっている。そしてついつい言い返す。

「そんなことわかってるよ」

そう言いながらも直らないのが私だった。

「ということは、本当に水の大切さを知らないから、いつまでたっても水を無駄にしているのではないのかな」

 

ある日、ふと思ったのだった。けれど、そう考え始めると、強気だった私もだんだん弱気の沼にずぼず

ぼとはまっていく。

「私、何にもわかっていない」 ついに、そんなことまで思い始めた。

 

だが、ずぼずぼと沼にはまっていくような思いではない。

「水の大切さをじっくりと考えればいい」

 そうやって、沼からはいだすのが私だ。

 

そうと決まれば身の周りで水が使われているものを隅から隅まで見つけだそう。

「トイレ、水道、浴槽、シャワー、台所、そして洗面所…」

 

たくさんあることがわかった。ということは、水がなくなるとこれからは使えない。

 

その他にも、カップラーメンなどのお湯だけで食べられる非常食なども使えない。

 

 そんなことになったら大変だ。私たちはうえ死にしてしまう。 今の事で、水の大変さが一つわかっ

た。

 

ところで、私が手洗い、うがいをする時にいつも出しっぱなしの水。今までにどのくらいの水を無駄に

してきたのだろうか。

私は、洗面所にたるを置き、どのくらい水を無駄にするのか実験をしてみた。 まず、幼稚園生から一人で手洗い、うがいをしていたとすると…。

四才から十三才までの八年間、閏年を入れると、一万四千六〇二日。

 

そして、一日一回手洗い、うがいをし、一回ごとに約一〇〇〇ミリリットル(一リットル)無駄にしているとすると、この八年間で約一万四千六〇二ミリリットルの水を無駄にしていたことがわかる。

 

 

 二リットルのペットボトルに置き換えると、約七十五本分も無駄にしている。 私は今まで、とてつもない量の水を無駄にしていた。

この調子で死ぬまで使い続けると…。

 

四才から女性の平均年齢八十五才までの八十一年間、閏年込で二万九千五八五日、毎日一リットルずつ

の水を無駄にしたとすると、二万六千五八五ミリリットルの水を無駄にすることになる。又、二リットルのペットボトルに置き換えると約十三本分もの水を無駄にしてしまうことになる。

 

そして、私みたいに水を無駄使いする人が世界中に何人もいたら…。

 

未来の人々が生活できる水はなくなってしまうかもしれない。まして、生きてゆく水さえなくなってし

まうかもしれない。

 

水がなければ植物は育たず自然がなくなる。それを食べている動物たちは空腹のあまり、どんどん姿

を消してゆく、動物や植物で食事をしている人間たち、そう、私たちもついには姿を消してしまうかもしれない…。

 

シーソーみたいにつり合っていた自然界の生き物たちの関係を、私たち人間が壊してしまっている。

「今からでも遅くはない」

 

今を生きている私たちが、未来の人へのほんの少しの気づかいだけで、未来の人々の生活が少しずつ変

わるはずだ。

 

そうとわかればこれからの手洗い、うがいをする時、こまめに水を止め注意してみよう。

 

注意して手洗い、うがいをすると、最低限使用する水は、百五十ミリリットル。なんと、注意して手洗

い、うがいをするだけで、八百五十ミリリットルもの水を節約できた。

 

どれだけ私が水を無駄にしていたか明らかになり、とても恥かしい。

 

そして、十三才から八十五才までの七十二年間、最低限使用する水は三百九十四万四千七百ミリリッ

トルだが、前と比べて二千二百三十五万三千三百ミリリットルも減っている。

 

ほんの少し、気を配るだけで未来の人々が生きる道が開ける。

 

その気配りを世界中の人々がしたならば、地球や動物たちはもっと長生きするだろう。

 何百年、何千年もたった時、私達はもう生きていない。だから、未来の地球がどうなっているかなんてわからない。 けれど、水を大切に思う心はずっとずっとつないでいってほしい。

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