2007年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  岩田美穂子

【奨励賞】僕達からの言いたい猫の言葉

僕にとって大切なのは、やっぱり水。それは、水道の蛇口から出て来て、この家の飼い主が飲ませてく

れる。

しかし、そんなにいい時代でも、ぼくは最近、こう思う事が多いんだ。こんなに水を使ってしまって、

大丈夫かな・・・と。

この家の主人は、この町のオーナー。人望も厚く、かなり優秀なオーナーだけど、僕にとってはやっぱ

り主人。とてもかわいがられている僕は、とてもうれしかった。

ある日、僕は主人に頼んで、外に出してもらえる事になった。きれいな都会や森の中を、ひたすら歩き

回り、仲間を見つけた。

仲間達といっしょに遊んでいる時、仲間の一人がこう言った。 「僕はこの町が、とても大好きだな」

「何で」

僕は言った。

「だって、こんな平和な町、見たことがないじゃん」

別の猫も言った。

「そうだね。でも・・・」

「でも、今水が汚くなっているんだ。ほら、これを見て」

振り向くと、そこには川の水が、しかも、町のど真ん中にありました。さらに、それはよごれた下水

道水が流れている川でした。

それを見て、僕はかなりのショックを受け、言葉さえも出ないぐらいでした。自分が思っていた事は、

そういうことだったのかと思い、怒りと苦しみとなみだなどでいっぱいでした・・・。

僕は、主人の所へ帰りました。でも、この思いは忘れられません。僕は、人間と話せません。だから、

僕らの思いを、人間に伝えたいのです。

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