2015年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  ナカニシ カオリ

【ざぶん文化賞】ぼくの大もの

ぼくは、七月にかぞく四人でむかいはまに、キスづりに行きました。ひさしぶりの海はす

ごくひろくて、ざっぱーん、がらがらっと大きななみがたっていました。

ぼくは、えさのいそめを見ました。にょろにょろしていてすごく長くて足がいっぱいつい

ています。魚はよくこんなのをたべるねと思いました。あついので、うごきがゆっくりになっ

ていました。おとうさんがいそめをつけてくれたのでぼくは、しかけをぽちょんと海になげ

ました。ずっとまいて、あげてをくりかえしていました。するときゅうにつりざおが、ぐぐっ

とおもくなり、うごかなくなったのでおとうさんをよびました。おとうさんは、

「ん、これはごみがひっかかったな」

と言ってゆっくりひっぱりました。だんだん糸がみじかくなって、まっくろな海そうのよ

うなものがみえました。それはとつぜんびしゃんととびはねました。 「お、これは大ものだ」とおとうさんがいいました。

おかあさんもおねえちゃんも

「なに、ほんとうに」と見にきました。

ごみだと思ったものは、とても大きな、まっくろのひらめでした。ぼくは、びっくりしま

した。すぐにりょう手でひらめをもちあげてしゃしんをとりました。キスづりにきたのに、

それからキスは一ぴきしかつれませんでした。

うちにかえってからぎょたくをとりました。白いぬのに、しゅう字のすみをぬったひらめ

をぴったりくっつけました。こんなに大きいひらめははじめて見ました。口がぱかっとあい

て、はがぎざぎざしていました。この口で魚やいそめをたべているんだなとかんしんしまし

た。小さい目が二つくっついていて、どうやってまわりを見ているんだろうとふしぎにおも

いました。

メジャーではかったら、体長四十五センチの大ものでした。 「よくこんなのをつり上げたな」

とおじいちゃんもびっくりしていました。「つり人」のところにおかあさんが、「くらべり

く、七さい」とかきました。

ぼくはうれしくてにんまりなりました。またつりに行って、もっと大ものをつりたいです。

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