【ざぶん環境賞】川について学ぶ大切さ
私は四年間に渡って、富士川水質調査の一環として、国土交通省の主催する「川の探検」
に参加しました。富士川水系に住む生物や、河川敷の石や植物、昆虫の観察をしました。
富士川は長野県、山梨県、そして静岡県の駿河湾に流れ込む川で、日本三大急流としても
知られています。私が探検したのは、山梨市の笛吹川と甲斐市の釜無川。そして、二つの川
が合流した鰍沢町の富士川の支流の小柳川と、もう少し下流の、身延町切石の富士川の支流
の寺沢川です。
富士川は江戸時代には人や物を船で運ぶ富士川船運が始まり、交通の要所でした。また、
釜無川には「信玄堤」と呼ばれる、戦国時代の武将武田信玄が、領民を水害から守るために
作った堤防が今でも見られます。一方、笛吹川にもピラミッド型「四基構」という防波堤が
あります。地元の作家深沢七郎の「笛吹権三郎」の話にもあるように、笛吹川も相当の暴れ
川だったようです。
探検の日は、長靴を履いて、魚取りの網を持つと、早く川に入りたくなります。しかし、
川は意外に深くて、足が全て水に浸かってしまうため、慎重に入らなければなりません。流
れの速いところでは、水に押されて、流されるのではないかと思うこともありました。同行
の専門家の先生方の注意を聞いて、四十名ほどの参加者で川の中の魚や水性昆虫、河川敷の
植物、昆虫、鳥類に分かれ観察を行います。
私は、魚は川の真ん中を泳いでいるかと思っていましたが、川の中程の流れが速いところ
にはいませんでした。草が生えている川の端の所に隠れていて、草を踏みながら下流から上
流に向かうと網に入ってきました。網に入ったアユ、オイカワ、ヨシノボリなどを先生方が
水槽に入れて見せてくれて、長い間見ていても飽きませんでした。オイカワは鱗が銀色をし
ていて、とてもきれいでした。また、ヨシノボリはヨシという植物に登るという所から名前
が付いたと聞き、お腹の部分を触ってみると吸盤のようになっていて驚きました。顔もとぼ
けたような顔をして笑ってしまいました。
石の間にいるカワゲラとヒラタカゲロウは似ていて区別ができるようになるまで時間がか
かりました。また、ヘビトンボやヤゴも見慣れない形でした。川の中にも様々な生物が住ん
でいることがわかりました。石の裏側に付いていたプラナリアは、虫眼鏡で見ると目がくり
くりしていて、愛嬌があって可愛かったです。サワガニも歩き方がよちよちしていておもし
ろかったです。
河川敷のムシトリナデシコやツルヨシ、ヤハズソウなどの植物や、トンボやチョウチョウ
やバッタなどの昆虫、空には大きな白い羽のシラサギも優雅に舞っていました。
河川調査のために、気温、透視度、流れの速さなどを測り、水素イオン濃度やCОDなど
のパックテストをしました。何年もの間河川の水質調査が行われていることも知り、継続す
ることの大切さを感じました。私たちが簡単にできる調査方法もありました。石の裏側にいる水性昆虫や貝などの指標生物によって、水質を判定することができるのです。それは、水質によって生息する生物が違うからです。一か所で採集した生物でも、同じ水質に分類される生物ばかりが見られる訳で
はありませんでしたが、川のどの部分でも「きれいな水」にいる生物が見られると安心しま
した。
川には普段は見えませんが、とても多くの生物が生活しています。川の中やその周りには、
長い年月の間に作られた生態系があるのです。そこでは、川の水がきれいでないと生きられ
ない生物も沢山います。川の探検に参加する度に、「いつまでも生物が命をつないでいかれる
川であってほしい」と願う気持ちが強くなりました。
私たち人間が、この生態系を守らなければならないと思います。


