2011年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  ナカニシ カオリ

【ざぶん環境賞】用水路の生き物

 

ぼくの家から、友達の家へ行く途中に、用水路がありました。そのわきには、背の低い木

が一本植えてありました。夏はその木が、日かげを作っていて涼しく、小さい生き物が集まっ ていました。水もきれいでアメンボやトンボなどもいました。でも、大雨が降るとあふれて しまって、道が通行止めになることもありました。

 

六年生の時、突然、用水路で工事が始まりました。まず、シャベルカーが中に入って、土

を掘り始めました。次に、木が切られました。周りの草も刈られて、残ったのは、切り株と 少しの草だけでした。きれいだった水はよごれ、流れがよどんで、生き物たちの姿が見当た らなくなってしまいました。

 

僕は、その様子を見て、洪水は防止できても、生き物が少なくなる一方で、この木の周り

や用水路で生きていた物たちが、かわいそうだと、思いました。周りの大人たちは、そのこ とに気付かず、工事が進むことを喜んでいたようでした。

 

一ヶ月で工事は終わり、新しくなった用水路は、まっすぐに直されて、コンクリートで固

められていました。草が生えていた所もコンクリートになり、まわりの畑や田も、住宅地に 変わってしまいました。

 

今では、どんなに大雨が降っても、あふれることも、通行止めになることもなくなりまし

た。でも、新しくなった用水路の水は、よどんだままで、一向に元に戻る気配がありません。

水がない所に住めないアメンボやトンボは、戻って来ません。

ぼくは、人間には便利になっても、生き物にとっては自分たちの住み家を荒らされて、不

便になったのだと感じました。人間にとっても便利で、生き物も住みやすい用水路を考える のは、人間の責任だと思います。

 

たくさんの命を育てていた用水路をなくさないでほしいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です