2008年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  せりのりか

【ざぶん文化賞】2008年ヨット体験

 

小樽で行われた「ヨット体験クルーズ」に、ぼくは幸運にも二年連続で参加することがで

きました。今回は、海ぞくの船にあるような形のカジを動かせました。ぼくは今まで、カジ

は大きく回さないと船が分かってくれないと考えていましたが、少しカジを動かせばすぐに

曲がってくれるということを体感しました。

 

カジを動かすと、まるで自分が海ぞくになったようでワクワクしました。カジの右・左は

それぞれ「スターボード」「ポートボード」といい、船語だそうです。英語でも日本語でも

ない、魔法の言葉のように聞こえました。

 

ヨットから足を出しました。波がたくさんきて、まるでぼくを落とそうとしているようで

す。遠くから勢いよく「ザブリンザザーンザザーンザブリン」と波が歌っているよう

な音がします。そして、その波がぼくをさそうように足に巻きついてきます。

「あの波、高そうだよ!」「ほんと、すごいね!」波がぼくたちの会話をはずませてくれます。

初めて会った仲間なのに、すぐに仲良くなれました。海の魔法の一つかもしれません。楽し

んでいると、冷たい水も温く感じます。

 

水の中にはクラゲや魚がたくさんいます。それが足にふれるたびに、びっくりして笑って
しまいます。丸くてヌルヌルしている水クラゲ。いきなり足の下にくっついてきます。ザラ

 

ザラなウロコを持っている魚は、ウロコを見せびらかすように通っていきます。そのたびに

ぼくたちは、お互いに報告し合うのです。とても楽しい時間でした。

 

波は時に、津波などのひ害を出します。だけど、おだやかな時は楽しさを広げるよい友達

になるのです。自分だけではなかなか知ることのできないことを、ぼくはこのクルーズで味

わうことができました。またこの世界に連れていってもらえるといいな、と思っています。

海にはまだまだひみつがかくされていそうだからです。

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