2004年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  表 供美

【ざぶん文化賞】青いかもめと海

昔々、それはまだ人間がこの星にいない頃のお話。

海は透明でした。日の光を浴びて水晶のように輝き、ほほえむ。のぞきこむと海底の生き

物が見えるほど澄んだ海でした。

かもめは青色でした。空に溶けこむようなそれはきれいな青色でした。そして、かもめは

海が大好きでした。生き物はみんな海が大好きでした。 海を見たことのない山の中の仲間達も

「海はね、とても広くて、とてもきれいなんだ。キラキラキラキラ輝いて、僕等に向かって

微笑むんだ」

と海を見た仲間から聞くと、見たことのない海に胸をときめかせるのです。

海が大好きな青いかもめ達は海に触れたいと思うようになりました。すると勇気のある

若いかもめがすっと海に近付いて、海の上にちょこんと座りました。若いかもめはしばらく

プカプカ漂うと、気持ちよさそうに目を閉じて、ゆったり波にゆられながら、とっても気持

ちよさそうに眠ってしまいました。それを見ていた他のかもめ達も 「これは気持ち良さそうだ」と思い、みんな若いかもめのように水面にちょこんと座りました。

うれしくなった海はかもめ達のために歌を唄いだしました。とてもきれいで、澄んでいる、

まるで包まれるような声で歌いました。

  

ゆらりゆられてどこまでもわたしがそばにいるからね あんしんしなさい。身を任せゆっくりゆっくり眠りなさい わたしはみんなのお母さんずうっと一緒にいるからね…

子守唄のおかげで、海にうかんだかもめはみんな眠りにつきました。どのかもめの顔も安

心しきっています。

…太陽はどんどん動いて、最初東の空にあったのが真上に、そして西に傾き始めました。

もうすぐで太陽も海に入ろうというときに、太陽は大きな声でかもめを起こしました。

「おーい!いつまで寝てるんだー!」 「うわぁっ」

かもめ達は一気にとびおき散り散りに飛びました。そのとき、一匹の小さなかもめが、

「わぁ、僕達白くなってる!」

と叫びました。自分の体が真白です。なんと海に青色がうつったのです。しかし海が、色を

もらって、うれしそうに輝いているので、かもめは喜んで色をあげることにしました。

遠い昔のお話だけど海は今でも輝いている。 どうかこれからもずっと!

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