【奨励賞】海の岩と私
私は海へ行くのが大好きだ。水泳は苦手だけれど平泳ぎならまあまあできる。
海へ行ったときは、父と一緒に沖に行く。もちろん私は浮輪をつけて。父がひっぱってくれるので最高
に楽しい。沖につくと、父は潜る。そして私が持っている袋に「サザエ」や「カキ」を入れる。サザエやカキがいる所なので、ゴツゴツした岩がたくさんある。疲れたときは、大きい岩にあがって休む。
小学四年生のころだ。いつものように岩で休もうと思っていた。その時分、何だか左足の裏が痛くなっ
てきた。沖から戻るとき足の裏を見てみると、三つの小さな点から血が少しでていた。私はすぐに思った。
「きっと『ウニ』をふんだんだ」と。それから、岩がものすごく恐くなった。そしてウニも。
よく考えたら、岩には海草がモサモサはえていて、岩がゴツゴツしていてその隙間にウニがいる。岩の
穴からはみ出している黒い針が、私の足に少しささったのだ。
中学一年生の夏、浮輪を弟にあげて、平泳ぎをして姉と遊んでいると、ふと岩が目に入った。海草がモ
サモサ茶色みたいな緑。岩はゴツゴツ。ウニは見えなかったけど、それがあまりにも恐ろしくて溺れてしまった。
私は小学四年生のその時から今まで、ずっと岩が怖い。でも、海に行ったときには必ず沖に行っている。
でも決して足をつかない。弟の浮輪に一所懸命につかまり浮いている。そうすると背中と肩が焼ける。痛さでうめいていると母に
「Tシャツをきればよかったのに」
と言われたけれどTシャツ焼けなんか格好悪い。それなら痛いのを我慢した方がいいかもしれない。
今日は、今年最後の海だ。岩をふんでも大丈夫なように、父と母が海用の靴を買ってくれた。本当に
岩をふんでも痛くなかった。これなら「大丈夫」と思って、久しぶりに岩の上にあがってみた。よく見ると岩と岩の間に小さい魚がいる。岩の上で安定していたし「つかまえたい」と思ったので、網ですくおうと思って何度か挑戦してみたけれど水が重くてなかなか思い通りにいかない。夢中になってやっていたら、波で岩から落ちてしまい、足がぜんぜん届かない深いところにきてしまった。又、最悪なことに体がななめの仰向きで、泳ぎたくても泳げなかった。その時思いついた。 「海底までいって思いきりジャンプすればいいんだ」と。
やってみると案外、簡単だった。けれど息が続かなくて海面までの距離がとても長く感じられて、とて
も苦しかった。岩まで少し泳いだ。岩の上にあがって休んだ。しっかりと呼吸できて、あんなに嫌いだった岩に感謝した。岩の上でボーとしていると、父と姉が潜りはじめた。 「そういえばさっき海底までいったなぁ。じゃあ、潜れるよね」
と思うとできた。深く潜り、海面を見上げると、太陽の光でキラキラ青く光りとてもキレイだという
ことを発見した。カキとサザエとりを挑戦してみると、大きめのカキが一つとれた。サザエは二つ小さいのがとれたけど、もといたとろころに帰した。残念だったけれど、どうせ私は食べられないし…。
とるのは好きだけど食べられない。磯臭くて苦手だ。カキやサザエをとるのは私にとって、ただのゲー
ムみたいなものになった。だから、来年は必ず今日よりもたくさんのカキとサザエをとってやる!


