【準ざぶん大賞】水環境を守るメカニズム
この夏、オーストラリアのケアンズに旅行する機会がありました。
オーストラリアにはタマゴを産むめずらしい哺乳類「カモノハシ」が生息して
いますが、繊細な生き物で、生息には汚染されていない環境が必要なため、だん
だん数が減ってきています。そこで、水環境を改善するためにさまざまな努力を
しているそうです。
私が実際に体験したことでは、オーストラリアでは使う水をとても大切にして
いることでした。私が滞在していた宿泊施設の浴室では、日本では考えられない
ような仕組みになっていました。なんと、シャワーのお湯がたった三分間しか出な
いのです。それを過ぎると瞬く間に冷たい水になってしまいます。ですから、手早
くシャワーを使わざるを得ない状況なのです。慣れない私には、最初はとても不
便に思えました。けれども、こういうメカニズムが毎日の生活に根付くことにより、
長い年月の間には、大変な水の量の倹約になると思いました。私たちが使える、きれいな水は、地球上ではわずか一パーセントにも満たない量であること、世界中で、安全な飲み物にアクセスできない人が、およそ五人に一人もいることを考えると、私たちはわずかな水もむだにしてはならないと思います。
水の倹約を個人の節制意識だけに止まらせないで、仕組として定着させることも大切な試みだな、と感心しました。
また、最近、私の住む大阪の町を流れる大和川という川の汚れが、少しよくなり均のま七し・た六。ミ汚リ染グ度ラのム指/標リとッなトるルBODから四・(六生ミ物リ化グ学ラ的ム酸/素リ要ッ求ト量ル)に値まがで過低去下十し年た平のです。それまで日本全国で一、二位に汚染された河川だったのが、三位になりました。
国土交通省によると、流域の下水道の整備や、河川浄化対策などの効果があがっ
たそうです。水辺の清掃や、油や味噌汁などの残りを流さない工夫等に取り組ん
できた私にも、すばらしい知らせでした。それでもまだ私たちに身近な大和川は、
汚い川であることにはちがいありません。私は生まれてから一度も大和川に入って
遊ぶことを許されたことはありません。テレビで、もっと河川の美しい地域に住
む子どもたちが川で泳いだり、魚やいろいろな生き物を捕って遊んでいたりする
ニュースを見て、ずっとうらやましいな、と思い続けてきました。これから未来の
子どもたちに、豊かな水の環境を引き継ぐことができるように、私たちに今でき
ることを実行し、下水道が百パーセント整備され、効果的な河川浄化対策がとら
れることを期待しています。
また、水環境の悪化により、姿を消してしまった生き物もいます。二〇〇四年
LUCN(世界自然保護連合)レッドリストによると、哺乳類一六二種、両生類
四一三種など、一四九〇種もの野生の生き物が、近い将来絶滅する恐れがあると報
道しています。日本でも、ニホンカワウソが見られなくなったそうです。銃による
乱獲、高度経済成長期に彼らの生息地である水辺が、土木工事で破壊されたこと、
工場廃水や農薬などによる川の汚染等でどんどん数を減らし、四国でほんの少し
生息している可能性があるかもしれないという状況だと聞いたことがあります。
一度数を減らした野生の生き物の数を元に戻すことは、たいへん難しいそうです。
私たち人間は、他の野生の生き物との共生のバランスのうえにたって生きてきたこ
とを、忘れてはならないと思います。人間が崩した生態系のバランスは、やがて人
間にも暗い影となって、存在を脅かすことになるかもしれません。
地球上のあらゆる生命は水によって支えられています。生き物を育み、あらゆ
る生命を未来につなぐには、美しい水環境が必要です。かつては自然がそれになっ
ていましたが、もはや人口が増え続けたことや、テクノロジーが進化したことなど
は、自然に大きなダメージを与えるまでになっていると思います。今こそ、人間自
身が疲弊しつつある自然に手を貸し、水をきれいにするメカニズム(仕組み)をもっ
と学び、整備していく時期だと思います。世界中のそうした取り組みが形になれば、
澄んだ水と姿を消していた生き物たちが蘇るでしょう。私たちに与えられた創造
力と、地球の力の協力体制が、命輝く未来をつくっていくと思います。


