【ざぶん文化賞】どじょう
私は、お母さんと妹と三人で家の近くのスーパーへ買い物に行きました。魚売り場の冷ぞ
う庫の前に、直径五十センチメートル、深さ四十センチメートル位のおけがありました。少 ない水の中には、細めのドジョウがたくさん入っていました。
「お母さんこのドジョウは何?」「食べるドジョウだよ。ようしょくドジョウだね」
私は思わず「ドジョウ買って」と言ってしまいました。お母さんは「食べるの?」とビッ
クリしていましたが、私は、食べるためでなく、かわいく感じてペットとしてほしくなりま した。お母さんは「いいよ」と言って、店員さんに、「ドジョウを三びきください」と。店員 さんは少し笑っていたような感じがしました。
ドジョウが入れられたビニールぶくろには、九十円とはられていました。家に帰り、さっ
そく水の中に入れようと思いましたが、魚を買うための水そうはありませんでした。うき草 を入れ、かざる、おしゃれな入れものにドジョウたちを放す事にしました。ふくろをかたむ け、ジャーと入れ出したしゅん間、一ぴきのドジョウが飛び出し、はちの中でなく、せんめん 台のはい水口の方へ。「あっ、流れちゃった」
お母さんが、「あーあ、川まで行ければいいけど」と言っていました。ドジョウちゃんごめ
んネ。心の中でつぶやきました。二ひきは、元気よく泳ぎだしました。
ある日お母さんがいいました。「毎朝、ピタッ!ピタッって音がするんだよ。みると、
ドジョウが飛び出して水のない流しの上でピタッピタッと動いてるんだよ。すぐ水にもどすけ どね。また元気に泳ぎだすよ。ああよかった、と思う」って。ドジョウの事を調べたら、ジャ ンプをするから、高さのある水そうでかおう。と書いてありました。知らないでごめんネ。 大切な水をうばってしまい、ごめんネ。
それから三年たち、細目だったのに、私の手の中指より太くなった。毎日おいしいえさと
おいしい水にとり替えます。元気よくジャーンプ。ポチャン。


