2009年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  岩﨑 晴彦

【ざぶん文化賞】釣り場のゴミ

僕はこの夏休みに釣りをしている時に、あるゴミを見つけました。それは長い釣り糸で、

針が八〜九本付いた、主に鰯や鯵釣りに使う、サビキという仕かけです。

その仕かけは作るのが難しく、ほとんどの人は釣り具屋などで買います。仕かけを取り出

すのが簡単で、エサを付けなくても釣れる時はたくさん釣れ、小魚がいた時には、とても便

利な仕かけです。

そんな便利なサビキにも欠点があります。出した後、またしまうのがめんどうだという点

です。しかも、仕かけを入れたあと、糸がもつれてからまってしまうことがよくあります。

僕が見つけたのは、それを知っていたから捨てられたサビキなのでしょう。

しかしその釣り人は、そのあとのことを考えたでしょうか、そのサビキをふんだ人たちは、

針が足にささってしまうかもしれません。人なら長靴や靴にささってもケガはしないでしょ

うが、鳥などはどうするのでしょうか。

漁港にいるカモメたちは、漁師が捨てた魚や、釣り人が捨てた釣りエサをよく食べていま

す。しかも僕が見つけたサビキ仕かけは、アミエビという小さなエビで、すずめの口にも入

ります。仕かけも針が小さくて細く、魚がすいこんで口にかかりやすくなっています。釣り

糸は色もなく、かなり細いので鳥たちには見えません。

このままでは、サビキについていたエサを食べた鳥が、針にひっかかり痛くてあばれます。

針は一本だけではないので、次々とささります。身動きができなくなった鳥は、そのままエ

サを食べられず死んでゆくのです。これはサビキだけではありません。

僕はその後、ある池にバスフィッシングに行きました。その日、自分で草を刈っておいた

場所に行こうとしました。自転車をおりてそのポイントに行こうとした時、右足に太いバス

フィッシング用の針がささりました。傷はあまり深くなかったけれど、歩くたびにズキズキ

と足が痛かったです。その時、前に捨ててあったサビキを思い出しました。

僕は、

「鳥も針にささったら痛いんだろうなぁ」

と思い、その日はもう釣りをする気分ではなく、捨てられている針やルアーなどを探しま

した。そしてある事に気がつきました。見つけたルアーや針を、もう一度使えばいいんだ、

ルアーは色がはげていても、もう一度ぬればいいんだと思い、釣りを忘れ、ルアーや針など

を夢中で探しました。

その日からルアーや針、オモリなどが、僕の道具箱にたくさんあります。今思えば、水辺

の生き物も助かるし、釣り具代もあまり困らなくなりました。これからも完璧にはできない

けれど、僕が見つけた範囲で水辺の生き物たちと、僕のサイフを守っていきたいと思います。

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