2007年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  北村 紗希

【奨励賞】大切な水

ぼくの家はお米を作っています。

五月になると、もみをまき苗代を作ります。苗代作りが終わり、苗が五センチぐらいの大きさになる

と、どこの田んぼでも水が必要になります。川から流れてくる水はとても大切なものです。自分の田んぼに少しでも水を入れようと、水の取りあいが始まります。

ぼくの家の田んぼは流れてくる川の一番下にあるので、流れてくる水は糸のように細くなっています。

それでもおじいちゃんは田んぼに水を入れるためみぞをほり、一滴でも逃さないよう土手を作ってせき

止め、水の流れを変えています。毎日田んぼに行きます。

今年の五月、六月はまるで夏のような暑い日が続きました。川の水も少なくなり、ぼくの家の田んぼ

にひびが入りました。

ぼくが学校から帰ってくるとおじいちゃんが、

「凌も手伝ってくれ、このままやったら苗が枯れてしまう」

と泣き出しそうな声で言いました。

いつもとちがう様子にぼくはびっくりしてすぐに田んぼにとんで行きました。

田んぼではおじいちゃんが大きなバケツに水を入れて運んでいました。見ると苗はこげたように茶色に

なり、先が丸くなっていました。運んできた水をじょうろに入れて苗の上にかけ、その流れ落ちた水を地面をかくようにしてひしゃくですくってまた苗にかける。何度も何度もこの作業をくり返していました。
ぼくもひしゃくですくって苗に水をかけました。

日がくれるまでこの作業をくり返しました。苗は元気を取りもどし、丸くなっていた葉を広げていまし

た。

「もう大丈夫、元気になったよ」

と、ぼく達に伝えているように思いました。

ぼくも一生けんめいだったので、のどがからからでした。持ってきた水とうのお茶を飲みました。ゴク

ンとのどを通り、体の中に入ったしゅん間、生き返ったようでした。 今、この苗もぼくと同じ感覚を味わっているのだと思いました。 ぼくは、水は生きるために本当に大切なものだとよくわかりました。

今まで、頭では水の大切さをわかっているつもりだったけど、実際に植物と向き合えて体で感じるこ

とができました。

川に水が流れているのはあたりまえのことだと気にもとめなかったけれど、この水がかれてしまうと植

物は枯れてしまい、ぼくたちだって死んでしまうかもしれません。

水は生きるものすべての命を守る大切なものです。一滴一適を大切にしなくてはいけないと思いました。

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