2010年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  林 香君

【ざぶん環境賞】見えない水の存在にショック!

「ご飯一ぜん分のお米を作るのに必要な水は、二百三十八リットル」

私はびっくりして、悲鳴を上げそうになってしまいました。二リットルのペットボトルに

すると、百十九本にものぼる量だからです。

これは、あるテレビ番組の「世界の地下水危機、自給率三十九パーセントの日本をおそう、

食料輸入停止シナリオ」という特集で取り上げられていました。パンの原料の小麦粉百グラ

ムの場合でも、二百リットルの水が必要だそうです。毎日食べている主食を作るのに、これ

ほど多くの水が必要だとは考えたこともありませんでしたので、私はとてもショックでした。

そして、本当にそれほどたくさんの水が必要なのかどうか、実際に確かめてみたくなりまし

た。

タネもみを無料でもらったことがきっかけで、私は二年生の頃からバケツで稲を育ててい

ます。四、五年生の二年間は、お米を作るための水の量の研究に力を入れてきました。

まず、タネもみが発芽するまでは小さい容器で育て、発芽したら、バケツに植えかえます。

収穫できるまでの四月末から十一月初めまで、水の量が一定になるようにバケツに印をつけ

ておき毎朝六時に、前日の水の減り具合をチェックし、記録していきました。この研究は、

単に水を与えればよいわけではなく、増土したり、追肥したり、雑草をとったりなどの世話

が必要でした。お米を作るために、この作業を広い田んぼで行っている農家の方々の大変さ

が身にしみました。

結果は、やはりテレビの情報にうそはありませんでした。約二百八十七グラムの玄米を収

穫するのに必要な水は、ペットボトルで約二百四本分にもなりました。翌年は、収穫まで蒸

発した水の量も計算しました。二年間の研究結果に、改めてショックを受けました。

せっかく収穫できたお米なので、私はお米料理にも取り組んでみました。お赤飯やパエ

リア、米粉を使ったパンやクッキーなどの料理に挑戦してみました。ところが、そこでまた

ショッキングな事実に出くわしました。調理する上でも、さらにたくさんの水を使うことが

わかったのです。お米を研ぐだけで約二リットルの水が必要でした。毎日のことを考えると、

がく然としてしまいます。

私は、稲を育てたり、お米料理を作ることを通して、私たちが農作物を口にするまでには、

想像以上にたくさんの水が使われていることがわかりました。また、植物が吸い上げる水だ

けでなく、蒸発したり、洗い流されたりする水があることにも気づきました。

私は、この目に見えないヴァーチャルウォーターの存在を、自分自身の体験をもとに、

もっとたくさんの人に伝えなければならないと思いました。そして、一てき、一てきの水を

大切にし、一つ一つの食材を無だなく利用していく習慣をつけていきたいと思います。

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