2010年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  林 香君

【ざぶん環境賞】水の美しさ

「川、行きたいなぁ」

夏が来ると、ぼくが必ず思うことだ。

ぼくが住む道志村は、山梨と神奈川の県境にある村だ。東西に二十八キロ、南北に四キロ

と細長い形をしている。その中央を流れているのが道志川だ。道志川の水はとてもきれいで、

その水質の良さから横浜市の水源になっている。ぼくは夏になると、毎日のように川へ遊び

に行く。

小さい頃は、浮き輪に乗って流れたり、もぐって魚を見たりして遊んだ。四年生ぐらいか

らは、「もり」や「かじり棒」を使っての魚とりに夢中になっていった。「かじり」は棒の先

端についている針を使って魚を引っかけてとる漁法だ。昔から道志の子ども達に受け継がれ

てきている。とるのはアユ、ヤマメ、イワナ、ウグイ、カジカなどの魚だ。カジカは石の下

に潜んでいて、あまり動かないので比較的簡単にとれる。このカジカはきれいな水にしか住

めない。父の話では、子どもの頃は全く見られなかったそうだ。その頃は、生活排水が家か

ら直接道志川へ流されていたため、川が汚れていたのだ。汚れてしまった川の水をきれいに

するために、村が補助をして合併浄化槽を設置した。そのおかげで川の水がきれいになり、

カジカが住める川に戻ったのだ。ぼくはそうなってとてもよかったと思う。

中学生になってやっと、泳いでいるアユなどをとれるようになってきた。初めてイワナを

とった時は、最高にうれしかった。こんな遊びができるのも、きれいな川があるからだ。い

つかぼくの子ども達にこの遊びを伝えていくためにも、このきれいな川をこれからも守って

いかなければいけないと思う。

今年の夏、ぼくは八丈島を訪れる機会を得た。海なし県に住んでいるぼくには、何もかも

新鮮だった。八丈島の海はとても美しく、きれいな色とりどりの魚たち、色々な形のサンゴ、

大きなウニなどたくさんの生き物がいた。もりつきをした時は、カワハギにもりをはじかれ

て、とてもくやしかった。

このような体験をする中で、ふと、道志川の水もいずれはこの海に流れてくるのかなと思っ

た。川の水が汚れれば、海の水も汚れてしまう。川の水を守ることは、海の水を守ることに

もつながるのではないかと考える良い機会であった。

これからは、今のぼくにできる事をしっかり考えて、きれいな道志川を守っていきたい。

魚のたくさんいる道志川。子ども達が遊ぶ道志川。多くの命を支える道志川をいつまでも大

切にしていきたいと思う。

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