2012年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  須藤 真美子

【特別賞】じじの海

「じじって昔何の職業についてたの?」 私は聞いた。

「知らないの?船の船長だよ」

「ええっ、そうなの?だからあんなに早く起きたり、海を見に行ったりするの?」

「そうよ」

お母さんは答えた。私はもしかしてと思って聞いた。

「地震の時、船の心配や海の心配をしていたのは、そのせいかなぁ」 「そうかもしれないわね。やっぱりじじは海が好きなんだねぇ」

「船の船長って、みんな海が好きなんだよね。船で漁をして帰って来たときは、疲れより笑顔の方が、あふれてるものね」

「あっ!」

お母さんはおどろいた。家の中で大きな声でおどろいた。 「どうしたの?」

私はお母さんより小さな声で聞いた。

「今日、ソーランの日じゃないっけ…」

お母さんは私と同じくらいの声でいった。

「あっ忘れてた!」

私は、お母さんがおどろいた時より二倍もおどろいた。 「早く行こう。今、七時十四分だよ」

「うん」

私はあわてた。

でも、その分いいお話を聞いた。 「笑ってないで、はやくしな」

「うん」

「ブオー」

今からソーランへ出発だ。

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