2012年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  増田 守世

【特別賞】雲の子モク

 

ある日、空に小さな雲が生まれました。名前は「モク」と名づけられ、家族とすくすく育っていきまし

た。でも、モクは雨をふらすのがにがてです。モクのお父さんも、お母さんも、お姉ちゃんも、とっても

雨をふらすのが得意なのに。

「ねぇ、ぼくはなんでうまく雨をふらすことができないの?みんな上手なのに」

モクのお姉ちゃんは答えます。

「それはね、みんなたっくさん練習して、上手になったからなんだ。モクも、もっとがんばればうまくなれるよ」

そう言われて、モクはたくさん雨をふらそうとしましたが、やっぱりうまくいきません。

 

モクはつかれて、気がついたら夕方になっていました。モクは帰ろうとすると、かれそうな花が一りん

ありました。花はいいました。

「小さな雲さん。雨をふらせてくれませんか?わたしはのどがかわいてかれそうなんです」

「うん、わかった。やってみるよ!」

モクはがんばりますが、なかなかふらせられません。モクはあせります。 (はやくしないとお花がかれちゃう…)

モクは、もっともっとがんばりました。

「やったあ!ふった!うまく雨がふった!」

なんとモクの体から雨がふりました。こんなにうまくふったのは初めてで、花もよろこんでいます。

「ありがとう。小さな雲さん。お名前はなんというんですが?」 「モクだよ!」

「ありがとう。モクさん。またここにきてくれませんか?」 「いいよ!また、雨ふらせてあげる」

そう言うと、モクは家族のもとへ帰ってみんなに、うまく雨をふらせたことと、花をたすけたことを話すとみんなびっくりしたあと、うれしそうにしていたのでモクもまた、うれしくなりました。

 

次の日、モクはあの花がいる場所に行きました。

「こんにちは。お花さん」

「こんにちは。モクさん。きてくれたんですね」

 

モクは、花から「さばく」の話を聞きました。雨がふらなくてこまっている人がたくさんいることも聞

きました。

 

モクは大きくたくましくなって、いつか「さばく」に雨をふらせたいなと思いました。それにむけて、

今日も一生懸命に雨をふらせる練習をしています。

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