【特別賞】雲の子モク
ある日、空に小さな雲が生まれました。名前は「モク」と名づけられ、家族とすくすく育っていきまし
た。でも、モクは雨をふらすのがにがてです。モクのお父さんも、お母さんも、お姉ちゃんも、とっても
雨をふらすのが得意なのに。
「ねぇ、ぼくはなんでうまく雨をふらすことができないの?みんな上手なのに」
モクのお姉ちゃんは答えます。
「それはね、みんなたっくさん練習して、上手になったからなんだ。モクも、もっとがんばればうまくなれるよ」
そう言われて、モクはたくさん雨をふらそうとしましたが、やっぱりうまくいきません。
モクはつかれて、気がついたら夕方になっていました。モクは帰ろうとすると、かれそうな花が一りん
ありました。花はいいました。
「小さな雲さん。雨をふらせてくれませんか?わたしはのどがかわいてかれそうなんです」
「うん、わかった。やってみるよ!」
モクはがんばりますが、なかなかふらせられません。モクはあせります。 (はやくしないとお花がかれちゃう…)
モクは、もっともっとがんばりました。
「やったあ!ふった!うまく雨がふった!」
なんとモクの体から雨がふりました。こんなにうまくふったのは初めてで、花もよろこんでいます。
「ありがとう。小さな雲さん。お名前はなんというんですが?」 「モクだよ!」
「ありがとう。モクさん。またここにきてくれませんか?」 「いいよ!また、雨ふらせてあげる」
そう言うと、モクは家族のもとへ帰ってみんなに、うまく雨をふらせたことと、花をたすけたことを話すとみんなびっくりしたあと、うれしそうにしていたのでモクもまた、うれしくなりました。
次の日、モクはあの花がいる場所に行きました。
「こんにちは。お花さん」
「こんにちは。モクさん。きてくれたんですね」
モクは、花から「さばく」の話を聞きました。雨がふらなくてこまっている人がたくさんいることも聞
きました。
モクは大きくたくましくなって、いつか「さばく」に雨をふらせたいなと思いました。それにむけて、
今日も一生懸命に雨をふらせる練習をしています。


