2012年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  浅見 祥子

【特別賞】ペットボトルの水を買う?

 

カラフルでオシャレにボトリングされた水が売られている。産地も様々で、フランス産のものもあれば、国内のものまで本当に沢山の種類が売られている。

 

以前、アメリカで生活していた時には、水は買うものであった。ガロンという単位で売られている四

リットルほど入ったボトルを、家族みんなで買い出しに出かけ、飲み水はもちろん、お料理も全て買った水を使っていた。

 

日本の水道水は無味無臭で、もちろん飲み水に使うことができる。私の祖父母は水道水を飲んでいて、

とても健康である。だから浄水器を設置している母に、「山梨の水は美味しいのに…」と言っている。実際私の住む山梨県は、八ヶ岳や駒ヶ岳などの山々に囲まれていて、甲斐駒ヶ岳に降る雨雪がろ過された天然水が「南アルプスの水」として売られている。

 

なぜそのような恵まれた環境の中で、浄水器を設置したり水を買ったりするのだろう。水道水に含ま

れる、塩素やトリハロメタンなどの有害物質を除去したものの方が、身体に良いからだそうだ。モデルさんが愛用しているという水は、とても売れている。オシャレだし、モデルさんのようにキレイになれそうだし…とも思うが、海外から輸送され店頭に並んでいるオシャレな水は、考えてみるといつ採水されたのか分からない。

 

長時間の輸送や保管ができる「何か」があるのではないだろうか。川から取水して消毒され、各家庭

に配水されている水道水よりも、「何か」がありそうなオシャレなペットボトルに入った水の方が優れているのだろうか。 

モデルさんが愛用していても、体に良いからと、その効用がテレビや雑誌で宣伝されていても、本当は

水を買わなくても良いという恵まれた環境で生活する日本人は、安全な水道水が飲めることに感謝して

生活をしなくてはならないのではないだろうか。

 

東日本大震災後、浄水場に何らかの不備があり安全基準値を外れた水が、各家庭に届いてしまったこ

とがあった。そういう場合には、きちんと「飲まないでください」ということがアナウンスされる。つまり、アナウンスのない水は、安心であるということなのである。一〇〇%水道水をボトリングした「東京水」は美味しいということで人気がある。水道の蛇口をひねって出てくる水は飲めなくて、一〇〇%水道水が入れられたペットボトルは買われて飲まれていることは不思議な気がする。

 

水道水を飲むことは問題があるということも、ボトリングされた水が安全だということも、絶対的な

根拠がないように思う。

 

私たちは、沢山の情報の中からきちんと取捨選択できる意識が必要なのだと考えている。

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