2015年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  寺谷 亜沙未

【特別賞】恵まれた日本の水

この夏、中国へ行ってきました。単なる家族旅行ではありません。私が住んでいる甲府市は、四川省

成都市と友好都市になっていて、一九八四年に締結して以来、五年に一度生徒を派遣しているそうです。

今年はその派遣の都市に当たっており、募集が行われたのでぜひ参加したいと思い、応募しました。募

集人数二十四名の中に選ばれたことがわかった時は、とてもわくわくしました。

行程は七泊八日で、成都市で現地の中学生との交流をしたりパンダの繁殖基地を見学したほか、上

海や北京の有名な観光地をいくつも巡り、貴重な体験をすることができました。

その中で忘れられないのが「水」に関することです。事前の研修会でも、実際に行ってからも、飲み

水についての注意は厳しく言われました。日本では、水道の水をふつうに飲んでいますが、これは中国

ではありえないことなのです。ただでさえ水が汚れているうえに硬水であるため、軟水を飲み慣れてい

る日本人が現地の水を飲んでしまうと、すぐにお腹をこわすことになると現地のガイドさんが教えてく

れました。

下痢になっては困るので、研修中はペットボトルの水ばかり飲んでいました。食事をするお店や公

園などで、日本のように無料で飲める水を出してくれるところはどこにもありませんでした。ボトルに

入っている水を買うしかありません。ミネラルウォーターはまずくはありませんが、不思議な味がして、あまり好きではありません。研修が夏の暑い時期だったこともあり、水を飲むためにかなりお金を使い

ました。

日本では、水を飲むのにはそれなりの対価が必要だという意識が希薄になりがちです。雨が多く、良

質の地下水に恵まれ、水道設備も整っている環境の中で生活していると、自然にそうなってしまうのか

もしれません。

海外に行くと、日本のことを客観的に見ることができます。おいしい水を手に入れるためには、自然

の恵みと多くの人々の労力が必要だと痛感しました。飲める水が無料で手に入るのは、非常に素晴らし

いことであり、深く感謝するとともに、この環境を維持する努力を続けていかなければなりません。こ

のことに気づけたことは、今回の研修の成果の一つとなりました。

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