【準ざぶん大賞】赤い花
2022年8月17日
あるところに赤い花がぽつんとひとりで咲いていました。まわりにはかわいた土と小石が あるだけで、赤い花はずっとひとりぼっちでした。雨もふらないので葉っぱが枯れてきてい ます。さみしい…と赤い花はずっと思っていて、大切な朝つゆを涙で流してしまいました。 (枯れてしまう前に誰かと話してみたい…)
(水をたくさん飲んでみたいな…)
ある朝、赤い花が目をさますといつも見ている景色が変わっていました。遠くにぽつんと 青い花が咲いているのを赤い花は気がついて嬉しくなりました。
(なんてきれいな青い色なんだろう…)
しかし、遠すぎて話すことができません。
でもきれいな青い花を見ているだけで赤い花は幸せになりました。
青い花も赤い花を見つけて話したいと思いましたが、遠いのでとてもがっかりしていまし た。
(なんてきれいな赤い色なんだろう…でも、もう少しで枯れてしまいそうだ…)
ますます青い花は赤い花と話がしたくなりました。青い花は赤い花のために雨がふってく れるよう空に祈りました。
ある日のことです。空にたくさんの雨雲がやってきて、大粒の雨がふってきました。 二つの花は喜んで雨水を飲み、かわききっていた根もたくさん水を吸い、元気になると、 どんどん赤い花の根が青い花のほうへ、青い花の根は赤い花のほうへ伸びていき、二つの花 は話すことができたのです。
次の年のことです。赤い花がぽつんと咲いていたところにたくさんの赤い花が咲き、青い 花がぽつんと咲いていたところにもたくさんの青い花が咲いていました。そしてたくさんの 紫の花もそのまわりに咲いていて、みんなはとても幸せそうです。
赤い花はもうさみしくありません。


