【特別賞】生命をつなぐ大切な水
僕達は冷蔵庫を開けると、いつでもお母さんが作ってくれた冷たい麦茶があったり、水道の蛇口をひ
ねれば、あたり前の様に水が出てきて飲む事ができます。僕は今までこれを一度も疑問に思った事はありませんでした。しかし、この日常生活の中であたり前の様に存在する水が、命を救う事もあります。
僕は、名古屋にあるお母さんの実家に帰った時は、必ずお仏だんにおまいりをします。その時、お仏
だんの中に、しんちゅう製のさびた古い水筒を見つけました。おじいちゃんにたずねると、それは亡く
なったひいおじいちゃんの物だと教えてくれました。
ひいおじいちゃんは若いころ、シベリヤや満州に戦争に行きました。仏だんにあった水筒はその時に
持って行った物だそうです。日本は今は平和で戦争なんて想像もできないけど、今の僕の年頃の子供も
戦争に行ったと聞きました。ひいおじいちゃんは遠い異国の地で、日本のために戦っていたのです。
キズだらけの古い水筒は、ずっとひいおじいちゃんのそばで、一緒に戦ってきたのです。戦争中なので、食料もほとんどなかったと思います。この水筒の中の水を飲んで何日も空腹をしのいだのかしれません。
小さな水筒に入る量はとても少なく、戦場での水の入手は困難だっただろうと思います。雨水や川の
水を飲んでいたかもしれません。ましてや戦争中だったため、あまり衛生的な水ではなかったかもしれ
ません。それでもひいおじいちゃんは、この水筒の水を飲み、生きて日本に帰って来たのです。僕はひいおじいちゃんにあった事はないけど、この水筒を見る度に、水の大切さを思い出す事ができるのです。
そして今、僕は学校に毎日お母さんが作ってくれたお茶を、大きな水筒に入れて持って行きます。夏
にはキィーンと冷えていつまでも冷たいままです。冬に、温かいお茶を入れれば、おいしいお茶がいつでも飲めます。毎日必ず用意してある水筒をカバンにいれて出かける事に慣れすぎてあたり前に思い、感謝の気持ちなんて一度も感じた事がなかったけど、ひいおじいちゃんの事を考えると、僕は本当に幸せなんだと思いました。
あらためて、日本以外の世界の国に目を向けると、水道の水をそのまま飲む事ができない上に、お金
を出して水を買わないといけない国もあります。アフリカの国々では上下水道の整備が整っておらず、
井戸を掘って水質源を探しているそうです。やっと見つけたその水も日本の様に安心して飲める水では
ないと思います。それでもその国の人々の生命をつなぐ大切な水となっています。
僕は、上下水道が整い、水資源に恵まれた日本に生まれた事を感謝しつつ、僕の子供達や、その先の
人達にいつまでも大切な資源として残していける様、今日から一滴の水も無駄にしない様にしたいと思
います。


