【特別賞】ぼくと浅野川
2022年8月17日
ぼくが金沢に引越してきたのは一才半の時だった。金沢へ来て初めて散歩したところが卯辰山と浅野
川だったらしい。ぼくは全くおぼえていないけど、その時は姉と川べりにいたハトを追いかけて喜んでいたそうだ。それからは浅野川はぼくにとって、とてもなじみの深い場所になっていった。そして、浅野川が季節を教えてくれる場所にもなっていると思う。
春、まだ肌寒い中でも桜が満開。雪がとけて流れてくる川の水はとても冷たいけれど、春の太陽が川
の水をキラキラ光らせている。
夏、卯辰山から聞こえてくるセミの声がミンミンとうるさい。裸足で歩く石の上はとびあがるほど熱
いけれど、川の水は気持ちいい。石切をしたりもした。
秋、梅の橋から写真を撮っている観光客が多い。ぼくはまだやったことがないけど、彼岸に浅野川に
かかる七つの橋を無言で渡る「七つ橋めぐり」がある。人の心をなごませてくれる川。
冬、しんしんと雪が降り積もっている。朝の散歩では犬だけがうれしそうに走っている。そういえば妹
の背中に雪玉を投げて怒らせたなぁ。
そして、今年の秋、ぼくはまた浅野川での思い出をふやす予定だ。卒業証書を飾るための台紙を今作っ
ている。未来へはばたく「鷹」の絵と、「希望」の文字を入れた友禅で、浅野川の「友禅流し」をする。
ぼくも浅野川と一緒にこれから成長していくのだと思う。


