2013年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  西 のぼる

【準ざぶん大賞】水と私たちの未来

私は時々ふと思う。水なんてなくてもいいんじゃないかと。思い出すのは、東日本大震災。大

津波は、何十万という人々の未来や希望を一瞬にして奪ってしまった。普段身近にある水が、多

くの悲しみや苦しみを生む。忘れない、忘れられない、そんな記憶だ。自然の恐ろしさを、あら

ためて痛感する出来事だった。

しかし、私達人間は水がないと生きていけない。人間に含まれる水分の割合は約六十五パーセ

ント。汗はもちろん、血もほとんどが水というから驚きだ。食器を洗うにも、トイレを流すにも、

水が必要だ。また、水は電力としても利用されている。エネルギーの重要性が見直される今、水

は貴重な資源となるだろう。

その一方で、問題となっているのが、川や海などの水の汚染だ。福島第一原発事故の汚染水は

流出している。

私の家の近くには、松川という川が流れている。最近は開発工事が進み、川も渡りやすく、き

れいに整備された。冬には白鳥が飛来し、春夏秋冬、様々な一面を見せてくれる。私にとって、

思い出がたくさんある川だ。しかし、魚は一匹も泳いでいない。水面が浅く、流れも急だが、何

より水が汚いことが原因だ。空き缶やお菓子の袋、更には洗剤の容器が、口が開いた状態で捨て

られているのを見たことがある。中身が川へ流れていったと思うと、心底悲しくなる。魚がいな

い川は本当に寂しい。

 

魚はもちろん、虫や水草、プランクトンなど、水は様々な生物の住みかとなる。水が汚染され

るということはつまり、生き物の生きる場所を壊し、殺してしまう。今は私達に影響がなくても、

十年後、二十年後はどうだろう。川が汚れ、海が汚れ、生物が絶滅しているかもしれない。雨で

すらも、汚れているかもしれない。水だけじゃない。植物も空気も、あらゆる自然環境が破壊さ

れてしまうのだ。いずれそれは、私達人間に返ってくるだろう。

昔は、松川で泳いでいたと祖父から聞いた。冷たくて気持ち良かったと、目をほそめながら祖

父は言った。今は、事故の危険性があるため川で遊ぶことは禁止されているが、今よりずっと水

質が良かったそうだ。自然豊かな川に戻ってほしい。

水を守るためには、一人一人が水をきれいにしようと意識して生活することが大切だ。私は、

自分がすることを良く考えて行動することが必要だと思う。ごみを捨てる人も、めぐりめぐって

自分に返ってくると分かれば、無神経な行動はしなくなるだろう。ふと立ち止まって考えれば、

自分が何をするべきなのか、してはいけないのか、よく分かるはずだ。水は地球の宝だ。これを

期に私は、水の重要性を改めて考えていこうと思う。

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