【準ざぶん大賞】水と私たちの未来
私は時々ふと思う。水なんてなくてもいいんじゃないかと。思い出すのは、東日本大震災。大
津波は、何十万という人々の未来や希望を一瞬にして奪ってしまった。普段身近にある水が、多
くの悲しみや苦しみを生む。忘れない、忘れられない、そんな記憶だ。自然の恐ろしさを、あら
ためて痛感する出来事だった。
しかし、私達人間は水がないと生きていけない。人間に含まれる水分の割合は約六十五パーセ
ント。汗はもちろん、血もほとんどが水というから驚きだ。食器を洗うにも、トイレを流すにも、
水が必要だ。また、水は電力としても利用されている。エネルギーの重要性が見直される今、水
は貴重な資源となるだろう。
その一方で、問題となっているのが、川や海などの水の汚染だ。福島第一原発事故の汚染水は
流出している。
私の家の近くには、松川という川が流れている。最近は開発工事が進み、川も渡りやすく、き
れいに整備された。冬には白鳥が飛来し、春夏秋冬、様々な一面を見せてくれる。私にとって、
思い出がたくさんある川だ。しかし、魚は一匹も泳いでいない。水面が浅く、流れも急だが、何
より水が汚いことが原因だ。空き缶やお菓子の袋、更には洗剤の容器が、口が開いた状態で捨て
られているのを見たことがある。中身が川へ流れていったと思うと、心底悲しくなる。魚がいな
い川は本当に寂しい。
魚はもちろん、虫や水草、プランクトンなど、水は様々な生物の住みかとなる。水が汚染され
るということはつまり、生き物の生きる場所を壊し、殺してしまう。今は私達に影響がなくても、
十年後、二十年後はどうだろう。川が汚れ、海が汚れ、生物が絶滅しているかもしれない。雨で
すらも、汚れているかもしれない。水だけじゃない。植物も空気も、あらゆる自然環境が破壊さ
れてしまうのだ。いずれそれは、私達人間に返ってくるだろう。
昔は、松川で泳いでいたと祖父から聞いた。冷たくて気持ち良かったと、目をほそめながら祖
父は言った。今は、事故の危険性があるため川で遊ぶことは禁止されているが、今よりずっと水
質が良かったそうだ。自然豊かな川に戻ってほしい。
水を守るためには、一人一人が水をきれいにしようと意識して生活することが大切だ。私は、
自分がすることを良く考えて行動することが必要だと思う。ごみを捨てる人も、めぐりめぐって
自分に返ってくると分かれば、無神経な行動はしなくなるだろう。ふと立ち止まって考えれば、
自分が何をするべきなのか、してはいけないのか、よく分かるはずだ。水は地球の宝だ。これを
期に私は、水の重要性を改めて考えていこうと思う。


