2014年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  殿村 栄一

【ざぶん文化賞】冷たい水

私は、水泳の練習を毎日やっている。水泳の水は恋愛のように冷たかった。

私は将来、水泳選手になるため日々練習。そんな私も恋はしていた。でも、ある日のプー ル館でそれは壊された。

その日、私はいつも通りプール館に寄っていった。プールに飛び込むと、冷たい水しぶき が上がった。私は、水を感じながら泳ぐ。水と友達。

今は、真冬。だから、寒い。来客も少ない。でも今日は、珍しく泳ぐ姿が私以外にあった。 それは、宝石のように輝いている。水しぶきまでもが、ダイヤモンドのようだった。

泳いでいた人はプールから上がり、サイドでゴーグルを取った。それは、あの愛しの人。 私は勇気を出して、君に話し掛けようとした。でも、君は笑顔を見せて大きく手を振っていた。私にではなく、違う女に。私の心は一気に凍った。まるで、氷のように。君は、女と 笑っている。

私は耐え切れなくなって、プールに飛び込んだ。水を感じるため。いつも、真冬のプール の中は寒かった。だけど今はもっと寒い。体の隅々が。私の心が。どうしてだろう。なんで、 こんなに苦しくて、こんなに悲しくて、こんなに冷たいのだろうか?

私は初めて、失恋をした。

水で始まり水で終わった恋。この気持ちは水に流したい。 でも、成長したよ。私は。

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