【ざぶん環境賞】水のない無人島キャンプ
今年の夏休み、僕達は水のない無人島に滞在した。わが校伝統行事の一つでキャンプによる体験学習のために無人島に渡ったのだ。
その島は「青島」と呼ばれ、岡山県牛窓港から船で十五分。東北に長島。南方に小豆島、南西には屋島を望む瀬戸内海の無人島です。僕達二年生二百四十名は三隊に分かれ、それぞれ八十名で五日間、自立と共生を学ぶ体験学習に臨んだ。そしてこの島で生活した真夏の五日間で水の大切さを実感することになった。
青島に真水はない。毎日必要最低限の水を牛窓港から船で運んできている。だから青島で使う水の量には限りがある。水は命の次に大切だといっても過言ではない。
島に到達した日、僕が初めて水に触れたのは、夕食の後片付けで鍋洗いをする時だった。鍋洗いといえども真水は使えないため、海岸へ行き、海水で洗う。鍋の中のこげや外側のすすは砂と砂利を使ってこすり落とした。さらに海岸で甲イカの甲殻を拾って使うと、洗剤を使ったスポンジやタワシよりも汚れがきれいに落ちる。自然の物をうまく利用し、海を汚さない工夫ができたことに少し満足した。夕食の後片付けの次は待ちに待ったシャワーだ。テントを設営する時に流した汗や夕食作りの時の火起こしで顔についたすす汚れをやっと洗える。水のシャワー時間は一人一分。しかし身体を洗えるのはなんと気持ちの良いことかと実感した。
次の日は朝から島を整備する奉仕活動だ。約一メートル程の高さで生い茂る笹をかま一本で刈る作業だ。「働かざる者食うべからず」の精神だ。真夏の炎天下、長そで長ズボンで三時間も作業すると二枚のタオルや服はベトベトになったが、良い仕事ができた。すぐに洗濯したい気分だが真水は使えない。海水で洗うわけにもいかない。普段の生活では洗濯機にザーザーと水が入り衣服が洗える便利さにありがたさを感じたことはなかったがこの島に来て真水の大切さをまた実感。
しかし苦しい体験ばかりではない。海ではシーカヤックに乗り島を一周したり、カッターボートでとなりの島へ行ったり、釣れないと思っていた釣りでは十三匹も釣れて海のめぐみを皆でおいしくいただいた。仲間との無人島キャンプ生活はたいへんなこともたくさん経験したが、楽しく無事に終えられたことに感謝だ。
元気に自宅に戻ってからは自然と水を大切にするようになっている自分がいた。水道の蛇口をひねると真水がたっぷりと出てくるありがたさ、冷たい飲み物が飲めるありがたさたくさんの洗濯物が簡単にきれいになるありがたさを感じる。
この夏、無人島キャンプで得たものはとても大きい。これからも水に感謝し、日本の自然、美しい世界の海も守れる大人になりたいと思う。


