2014年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  菊地 市千

【特別賞】ウミガメの放流

家族旅行の沖縄で見た海の色は空と同じ色だった。

今年の夏、私は初めてウミガメの放流を見た。地元の保護団体が行う、この夏初めての放流だった。 日没とともに赤ちゃんガメを砂浜にかえすと、一直線で海へ向かって走っていく。まるで、海が自分

の住むべきところだと知っているかのように。

十センチにもみたない小さな体では、海までのわずかな距りすら長く感じるだろう。水際に到着して も、何度も波に返され、それでもいっしょうけんめい泳ぎだす。

海に向かって走る赤ちゃんガメの前を横切らないこと、ぜっ対に手助けをしないこと、何点かの注意 事項があったため、私は見守ることしかできない。

「ガンバレ」「ガンバレ」心の中の声が、やがて大きな声えんへと変わった。

私だけではない、見守っていたみんなの心が一つになり、赤ちゃんガメが全員無事に大海原に泳ぎ出 したしゅん間には大きな歓声がおきた。

すっかり日は沈んでいたが、みんなが優しい顔をしていたのは、はっきり見えた。必ず、この砂浜に もどってきてほしい。心からそう思った。

昔は、自然のまま、こういった風景があったそうだ。しかし、今は、堤防ができ砂浜が短いため、水 際からすぐそばにしか産卵ができず、水につかった卵は死んでしまうそうだ。せっかく帰ってきた砂浜 が無くなっていることもあるだろう。

人間が便利になると自然や動物たちは住みづらくなってしまう。

 

せっかく泳ぎ出したウミガメたちも、自然界の恐怖だけではなく、私たち人間が捨てたゴミをえさ と間違えて食べてしまったり、何も考えずに捨てられた漁具に引っ掛かったりすることをきき、悲しく なった。

「海を汚してはいけない」

日本は海に囲まれた島国のため、海を無視しては生きることはできない。

私は、福島県の海沿いの町に住んでいる。一年生の時、大きな地震がおき、高い津波が町をおそった。 おだやかな海がすがたを変え、多くの人の命をうばった。

でもそれは、自然からの悲鳴なのかもしれない。

では、海や自然を少しでも守るために、私には、何ができるだろうか。

「ゴミを捨てない」「無駄な電気は使わない」「お風呂は短く」考えれば、色々と出てくる。

こうした、小さなことをみんなでできたら、ただそれだけのことなのに・・・

一人ひとりの力は小さくても、みんなの力が集まればきっと大きな力になる。

私は、地球に生きる一人の人間として、海や自然を守っていきたい。

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