【ざぶん環境賞】石巻ののんびり村
宮城県石巻市内から車で四十分はなれた三陸海岸沿いの旧河北町に「のんびり村」という 農家民宿があります。数年前から家族でよく遊びに行っていたぼくのお気に入りの民宿です。 ぼくがそこを好きな理由はたくさんありますが一番の理由は「海をとても近くに感じること ができる」ということです。のんびり村は北上川という大きな川と太平洋がぶつかる河口の 長面浦に面していて夏にはおだやかな海で海水浴を楽しむことができます。四方を山で囲ま れ栄養豊富な水が流れこむ長面浦では通常三年かかるカキもたった一年程で出荷できるよう になります。
しかし地元の人々とのんびり村を訪れるお客さん達にたくさんのめぐみをもたらしてきた 海は、三月十一日の大震災で多くのものをうばい、そこに住んでいた人々の生活をこわしま した。のんびり村より川上は百五十軒が流され、尾崎よりには十軒ぐらいしかありません。 その中の多くの人は水道や電気が待ちきれずに家をとりこわしてしまいました。その中でも のんびり村はがれきをかたづけ一階を全てリフォームしました。そして全国からはげまし、 来てくれるお客さんにペットボトルの水やカセットコンロで料理を作ってもてなしました。 津波から残ったカキのいかだでは秋になると順調にカキが育ちました。でも加工場が流され てしまい、電気や水が来ないので出荷はからつきのままでしかできません。
石巻の町の中心では復興がどんどん進んで、町のイオンにはおおぜいの人が買い物に行くようになってものんびり村の周りだけ時間がとまったままでした。大ぜいの子供や先生達が 亡くなった大川小学校におまいりの人はたくさんきますが、その先四キロ海に向かったとこ ろにまだ家があることはだれも気がつきません。
ぼくは考えました。津波のせいでのんびり村の人達はたくさんのものをなくしました。で も、おじさんもおばさんも海が大好きです。海で育つカキや海でとれる魚でおじさんたちは くらしています。だから一日もはやく生活に必要な水道が来てくれれば、みんなは海でがん ばっていけると思います。海のおそろしさとすばらしさのどちらもぼくは石巻でかんじます。


