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【ざぶん文化賞】金魚のボス

私の家に金魚が四ひきいます。一ぴきは親金魚で三びきが子金魚です。親金魚は私が三歳の時にお祭りの金魚すくいでもらった金魚で、家に来てから十二年になります。金魚の寿命を調べてみると十年以上が長寿だと書いてありました。長く生かすのはとても難しいとも書いてありました。そう思うと、我が家の金魚はとってもすごい金魚なんだと思います。

最初はオスとメスで大きくなり気づいたら卵を産んでいたので、私の中に「この卵は育つのかな」という思いがよぎり、実験的に卵を育てて見ることにしました。卵をそのままにしておくと親金魚が食べてしまうので、卵を別の水槽に移しました。そしたら数日たった頃、卵に黒い点を発見、その後小さな稚魚が沢山現れました。私は金魚の産卵と繁殖に成功してしまったのです。自分でも驚きと感激でとてもうれしかったです。大きくなった稚魚達も一ぴき、一ぴきと数は少なくなりましたが、三匹は今でも元気に水槽の中を泳いでいます。

我が家の親金魚は左目が出目金のように目が出てしまって多分その目は見えていないと思います。だけど四ひきの中で一番元気に見えるのです。エサをあげると一番早くに食べに来ます。そんな親金魚を私は「ボス」と呼んでいます。朝早く水槽に近づき、ボスの様子を見るのが日課です。片目でも元気に泳ぐボスを見ると「今日も頑張ろう」って気持ちになるからです。

この間、豪雨で土砂崩れや家が流される様子をテレビで見ました。家族がみつからず泣いている人や家がなくなってぼうぜんとしている人を見ていると心が痛くなりました。

一瞬のうちに今まであった家がなくなるってどんな気持ちなんだろうと考えると、自然に悲しくなりました。土砂崩れで埋もれた家にも泥水で流された家にもペット達がいたと思うからです。人間もペットも一生懸命生きていたのに自然の影響だけど残酷だと思いました。

大切な命だけどいつどんな形で消えるかわかりません。片目の金魚のボスの元気をもらって一日一日を楽しく生きていきたいと思います。

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