【ざぶん環境賞】田んぼの水
2022年8月3日
僕の住んでいるところでは稲作のことを、田んぼを作ると言います。僕の家でも数年前ま
で田んぼを作っていました。僕も小さい時から、田植えや、消毒、稲刈りをする家族の姿を
見てきました。
中でも僕が大好きだったのは田植えに連れていってもらうことでした。水を張った田んぼ
にオタマジャクシがうじゃうじゃいて、それをタモですくったり、まるでタピオカみたいな
蛙の卵を小さな水槽に入れてもらったり、蛙の足を伸ばして両手に何匹もつかんだりと、本
当に楽しかったことを覚えています。また田んぼの中の虫が田植え機で出てくるのを狙って
いるトンビが畦道に何羽もいるのを追いかけたりもしました。田んぼの水の中に入って泥だ
らけになって帰ると、母は怒るよりも呆れて笑っていました。
僕は田植えが終わって一週間たったくらいの、田んぼを見るのが好きです。田植えが終わっ
てすぐの苗は、くたっとしていて、本当に育つのかなと思うくらい弱々しいのですが、一週
間もすると、ピーンとして青々としてきます。そしてその田んぼの水に風が吹いてさざ波が
たつように水面がゆれたりする景色。天気の良い日には、空の青さがあたり一帯の田んぼの
水に映っている情景は、まるで海の中に立っているような錯覚になります。
田植えが終わると婆ちゃんは大忙しです。田んぼに水がなくなると苗が枯れてしまうので、
田んぼに水を張ったり抜いたりと、一日に何度も田んぼを見に行きます。昔は、雨が降らな
い水不足の夏などに、田んぼの水をめぐって喧嘩なんかもあったそうです。
それくらい、田んぼには水が大切なんです。今は、短かった苗も六十センチメートルほど
になり穂も出始めました。時々、ホタルも見ます。稲刈りの少し前まで、田んぼには水があ
ります。


