【特別賞】ぼくのおねがい
2022年8月2日
「校門を出て坂をくだったら、道の横を小川がながれていて、魚がたくさんいたよ」
「それって、いつの話」
と、ぼくはジイジにききました。 「小学校三年のころかなあ」
「ぼくと同じころだ。どんな魚がいたの」 「フナとかハヤとか、いろいろいたなあ」 「ザリガニもいたの」
ジイジは、ザリガニとりをした時のことを思い出して、楽しそうに話してくれました。
夏休みになると、校庭でラジオ体そうがあって、そのかえりには、ジイジはいつもこの小川に入って、
ひとあそびしてから家にかえったそうです。
夜になると、友だちをさそって、ホタルをとりに行ったそうです。 「たくさんとれたの」ときくと、
「いっぱいとれたけど、すぐにしんだ」
「いろんな虫がいたの」
「ああ、いっぱいいたよ」といって、ジイジは虫とりの話をしました。
秋になると、町のまわりをながれている川のはしの上で、トンボとりをしたそうです。そのはしは木
でできていて、あそび場としておもしろかったそうです。
「いいなあ、ぼくもそんな所であそびたいなあ」
ぼくは今、ジイジが小学校にかよっていた町で、ジイジといっしょに住んでいますが、魚がいっぱい
いた小川や、町のまわりをながれていた川は、みんなうめられて、どこにもありません。今は、ぼくの
家の近くを、新しく作られた川がながれています。水がいがおこらないようにと作られた川です。
川は大きくなって、はしもりっぱになったけれど、トンボはあまり見かけなくなりました。
川の水はいつもよごれていて、いろんなゴミがながれてきます。
かみさま、おねがいです。
ぼくたちが川あそびできるような、
きれいな小川を、
ひとつだけ、作ってください。


