【ざぶん環境賞】奥日光で考えた
この夏、家族旅行で日光に行った時のことです。父はダイナミックな水の流れを見せたい
と言って、私達を奥日光に連れていってくれました。車を駐車場に残し、木立の中の道を進
むとやがて水の音が響き、急に眼の前にとても大きな迫力のある滝、湯滝が現れました。極
端に急な坂を転がるように水が落ちてくるこの滝の足もとで、多くの人が滝を見上げ、たち
すくんでいました。私も家族と興奮をわかちあいながら、滝の上部を目指し、湯滝のわきに
ある遊歩道を上へ上へと登っていきました。
滝の上部には湯滝へ落ちる水がたまっている湯ノ湖が広がっていました。周辺では硫黄の
においがただよい、この湖に流れこむ水には硫黄成分が多く含まれ、それで湯ノ湖というの
かと家族で話しました。湖の岸の一部は浜辺で、水草の陰に小魚が多く泳いでいました。こ
の湖や周辺に生息する野鳥などの掲示板を見て、この場所が多くの生物をはぐくんでいるの
だと感じました。
湯ノ湖を後にして、次は湯滝から始まる湯川の下流へ向かいました。道路周辺の木々が
うっそうとしげっているなぁと思っていたところ、急な流れが見える橋の上で父が車をとめ
ました。ここが竜頭の滝であると教えてもらいました。浅い川底の石に水がしぶきをあげて
ぶつかりながら、急な斜面を流れていきます。川のわきの遊歩道を少し先の駐車場までゆっ
くりとながめながらおりて行きました。その流れが竜の頭に見えると言われる有名な場所を
こえると、川は中禅寺湖に向かいます。今朝は霧につつまれていた中禅寺湖は、夏の日差し
で輝いてまぶしく見えました。
この湖は湯川だけでなく、いくつもの川の水が流れこんでいます。中禅寺湖は、男体山と
いう火山の噴火により、川がせき止められてできた湖ですが、周りの山々からの水や栄養分
が昔からいた魚や明治時代に放流された魚、水辺の鳥たちを育てているんだなと遊覧船の上
で考えました。この湖の水は有名なけごんの滝から落ちて、下流の川になります。
奥日光の高い山々に降った雨は川の流れをつくり、周辺の木々を育て、落差のある場所で
は滝となって人々の目を楽しませます。さらに、川が注ぎこむ湖では、多くの魚や鳥、様々
な生物のすみかとなってその生活を支えています。そして、川の流れのところどころで引き
こまれた水は、田畑の農作物を育てるために使われています。最後には、川の流れる地域の
人々の生活用水、工場のある地域では産業用の水として利用されています。
地球上の雄大な地形をつくりあげる一方で、私達の日常の生活を支え、欠かすことのでき
ない水。資源としての水の重要性だけでなく、その水の源となる自然にも、もっと目をむけ
て、現在のそのままの姿を残せるよう考えていかなければならないと思いました。


