2011年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  羽場 文彦

【特別賞】海からのおくり物

 

八月に石川県のすず塩田村に行きました。ここには、能登の塩づくりの歴史や文化、世界各地の塩に

関わる資料館があります。また、五月から九月までの間、体験塩田では、「あげ浜式」の塩づくりを体験 でき、塩を煮つめるかま屋も見学できます。日本でここでしかできない体験だそうです。ぼくは海水から 塩ができるまでを実際に学ぶことができました。

 

作り方は、まず早朝に塩田の砂に海水をまんべんなくまきます。海水をおけですくって、手作業で砂に

まくのです。均一に広げなければならなくて、上手にまけるようになるまでに十年かかるそうです。ぼく は一か所にかたまってしまいました。

 

太陽の光と熱、風の力でかんそうさせ、午後一時ころから、塩分をふくんだ砂を集めます。はだしで作

業するので、地面がすごく熱くて大変でした。その後、砂を木の箱に入れます。その砂の上に海水を注い でろ過し、こい塩水を作ります。こい塩水を合計十八時間ほどかまでたきます。そして、にがりをぬいて 完成です。

 

たくさんの海水からできる塩は少なくて、多くの人の苦労があって、やっとできあがるのが分かりまし

た。でも、こんなふうに手間や時間をかけて作られた塩はしょっぱいだけではなく、ミネラルが多いので とてもおいしそうです。暑い中がんばったので、おいしい塩のお土産ができました。

 

ぼくは、体験がすんだ後、近くの海でカニをさがしました。カニを見つけてつかまえようとしたけれど、にげるのがすばやくて、なかなかつかまえられませんでした。でも、一ぴきの小さなカニをつかまえるこ とができました。そのカニは、今、ちゃんと家でエサをあげているので、育っています。

 

海には塩だけでなく、魚や貝やカニや海そうなどの生き物がいるから、人間が食べるものがあります。

他にも海水浴の楽しみなど、人間は海からたくさんおくり物をもらっているのだと思いました。

 

でも、少し前にとてもこわいことがありました。それは地しんによる津波です。たくさんのおくり物を

してくれる海が、おそろしい化け物みたいになったのです。僕は、テレビで津波を見て、びっくりして、 こわくて、悲しくなりました。いつもは海からのめぐみで生活している漁師さんたちが、その船や港がお そわれていました。

 

だけど漁師さんたちが、がんばって漁を再開している様子を見ると、すごいと思います。ぼくだったら、あんなふうに立ち直るのは無理だと思います。漁師さんたちは、本当に海のこわさを知ったけれど、本当 の海のめぐみややさしさも知っているから、がんばれるのだと思いました。海に「ありがとう」という気 持ちがあるのだろうと思います。

 いつまでも、きれいな海が続いてほしいです。

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