2016年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  菊地 市千

【特別賞】身近にある生き物の住処

私はこの夏休みに日光へ温泉に入りに行きました。そこは硫黄が湧き出る湯ノ湖という湖が近くにあ

り、周りは森林にかこまれていました。

湯ノ湖の周りを歩いてみると、硫黄の独特の匂いがします。私と弟は「臭いねー」と声をそろえて言

いましたが、お母さんは「わぁ、硫黄の匂いがするね」となんだか喜んでいるみたいでした。湖は、ぼ

かした水色をしていました。周りの山の陰で暗い場所と太陽の光があたり、反射してキラキラ輝いてい

る場所がありました。周りを少し歩いてみると、森の中に歩けるコースがあり、綺麗に整備されていま

した。ごみ一つ落ちていなくて、日光の人々はこの湖を大切にしているんだなと感じました。するとお

父さんが「ちょっと歩いてみるか」と言い、ずんずん先に歩いて行ってしまいました。私は正直言うと

はやく温泉に行きたかったので、あまり気がすすみませんでした。

ずっとすぐそこの湯ノ湖を見ていると、立派な魚がおよいでいて、私はすぐ「ねぇっ魚がいるよ!」

と声をあげました。みんな駆け寄ってきて、「大きいねぇー」と驚いていました。魚を見つけることが

できて、私は少し楽しくなってきて、他にも生き物がいないか探すようになりました。探すことによ

り、湖ばかりでなく周りの植物や足元の土の上、頭上までおいしげっている木にも目を配っていました。

さっきまで狭かった視界が、ずっと広くなっていく気がしました。硫黄の匂いも慣れたのか臭いと思わ

なくなりました。

少しすると、今度はお母さんが「見て、可愛いよ」と湖の方を指していました。見ると石の上で毛づ

くろいをしている鴨がいました。鴨ぐらいどこでも見る生き物ですが、こんなに近くで見られたのは初

めてでした。私は鴨が硫黄が出ているこの湖で、自分たちと同じように温泉に入りにきているように見

えて、とても可愛いと思いました。みんなで鴨を見ていたその時、私はまた新たに生き物を見つけまし

た。それは全身なめらかな灰色で、お腹の方が丸く膨らんでいて、くちばしが長くて鋭いオカサギとい

う鳥でした。ずっと水面を前かがみになって見つめていて、今まで見たどの生き物よりも特別な気がし

て見つけた時は嬉しかったです。急いで家族にこっちを見てと言いました。みんな「おおっ」と反応も

良くて、写真を撮ったりしていましたが、オカサギは全く動かず水面をみているので、私たちは音を出

さないようにしました。気づくともうすっかり暗くなり、夕日は落ち始めて肌寒くなっていました。私

は温泉に入ることなどすっかり忘れていて時間が過ぎるのがはやかったです。

湯ノ湖はたくさんの生き物の住処であることが分かりました。また、湯ノ湖はごみ一つ落ちていませ

ん。私たちの身近で生きている生き物や、湖をおとずれる人たち、日光の人たちのために、いつまでも

自然があふれ、綺麗なままであってほしいと思いました。

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