【準ざぶん大賞】桑取川の四季
僕の住む地域には、「桑取川」という川が流れています。
川沿いの道を上っていくと僕の通う中学校があります。僕は毎日この道を歩いて登下校し
ています。季節ごとに川の様子が様々で、それを見ながら歩くのが楽しみです。小さな川で
すが、四季折々に多くの恵みを地域の人々にもたらしてくれます。
春、四月の中旬になると、桑取川の河口でイサザが捕れます。イサザは体長四センチほど
の小魚で、別名シロウオとも呼ばれます。産卵の場所を求めて遡上してくるこの魚を、僕が
住む地域の人たちは、そのまま踊り食いにしたり、汁物にしたりして食べます。イサザの訪
れは、この地域にもようやく本格的な春が来たことを知らせてくれる出来事の一つです。イ
サザを味わいながら、僕たちは春がやってきたことを家族や地域の人達と共に実感し、喜ぶ
のです。
夏休みも近い頃になるとアユ釣りをしている人を見かけます。春に遡上し、十分成長した
夏になると鮎釣りが解禁となります。鮎は秋になると下流に向かい、産卵を始め一生を終え
ます。卵は一〜二週間でふ化し、川の流れにまかせて海まで流れていきます。冬の間は海で
生活し、春になると遡上を始めます。夏の清流に若鮎がはねているのはとてもきれいです。
また、釣りで上がった鮎が空中で輝いて踊っているのを見ると夏が来たのを感じ、うれしく
なります。この川では、小さい頃から父と弟と川遊びに行くのが夏休みの恒例の楽しみです。
桑取川に足を入れた時のひんやりとした感触は気持ちが良く、夏が近づくと僕をわくわくさ
せてくれます。
夏が終わり、肌寒さを感じ始める十一月、今度は鮭が産卵のために川に帰ってきます。鮭
は、産まれた川を覚えていて、約四年後に川に戻ってきます。僕は四年生の時に小学校の授
業で鮭の卵をふ化させて稚魚を育てました。その年の春に川へ放流した鮭がこの秋、桑取川
へ戻ってきます。今年も橋まで行き、橋の上から桑取川に戻ってきた鮭を探そうと思います。
たくさんの鮭が無事に戻ってくることを願います。
毎年、潮陵中学校では鮭の加工体験を行います。鮭をさばいて切身にし、味を付けて網に
干し、桜のチップでいぶしてくんせいにします。僕は去年鮭をさばきました。体長六〇セン
チ以上もある鮭をさばくのは難しかったです。出来上がったくんせいは、とてもおいしく、
家族にも喜んでもらえました。
鮭の産卵が終わる頃、紅葉に覆われた川も味わいがあります。冬になると雪が降り始め、
川に足を運ぶことはなくなります。冬の川は、味の良い海藻を育てる冷たい水を海へ流すと
祖父から聞きました。冬が終わる三月中旬過ぎになると河口付近の海域では、かたのりやあ
かだいなどの海藻採りも始まります。
このように、桑取川は生命の源を育む地域の人に愛される川なのです。僕にとって桑取川
は、身近な存在であり、楽しみや安らぎを与えてくれる川です。これからもこの川の美しさを守り、親しんでいきたいです。


