【準ざぶん大賞】自然のサイクル
2022年7月26日
「ダーン、ゴロロゴロゴロ」
ピカッと眩い閃光が一瞬辺りを照らしたかと思うと、凄まじいごう音が鳴りひびきました。
「落ちた?」
先ほどから、夕立ちがだんだんひどくなってきていました。雨風も凄まじく強かったので
すが、特に雷が落ちたのでは、と思うほどの音をたてていました。
僕はふと、窓に目をやりました。風に木々はゆれ、庭の花は、雨に打たれています。僕は
そのとき二階にいたので、ベランダから外の様子を見ようと思いました。ベランダの戸を開
けようとすると、強風に押し返されて驚きました。風のうなり声と雨の打ちつける音が耳に
入りました。戸を押し開け、外を見ると水たまりに雨がはねたり、風に木々がゆれていたり
していました。
先ほど雷が落ちたと思われる方向を僕はじっと眺めました。山です。どうやら、幸い山火
事などにはならなかったようです。
そのとき僕は、雨は山の川に流れ、海に行き、海の水が蒸発して雲となり、また雨になる
という「自然のサイクル」を思い出しました。「この水は、もう何年も『自然のサイクル』
をくり返しているのだろうか?」と疑問に思いました。そして、「この水は今まで、地球上の
どこを通ってここまでやってきたのだろう」と、『水の旅』が少し偉大に感じられました。
気が付けば雨もやみ、辺りは静まり返っていました。その時、雲の割れ目から、日の光が
差しました。そのとたん、辺りが明るくなり、鳥の鳴き声が聞こえました。僕に一時の感動
を与えてくれた黒雲は、空の果てへと消えて行きました。


