2018年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  森永 江美

【特別賞】お父さんとの海

二、三年前に、お母さんは仕事だったので父と弟と私の三人で海へ行った事があります。波は、それほど高く無かったのですが、夏の終わりのほうだったので、クラゲがたくさんいました。浅せの方で貝を見つけたり、波で遊んだりして楽しく遊んでいたのですが、うきわで遊びたくなり、三人でもう少し深い所へ行くことにしました。

お父さんは私と弟の乗っているうきわのひもを引いてずんずん進んでいきます。弟が立つと、水がかたにつくくらいの場所でクラゲが近づかないか見ながらうかんでいました。

「大きい波がくるぞ~」

「キャー」

と、三人ではしゃいで楽しかったです。

しかし、二ひきのクラゲが近づいてきました。お父さんは、

「クラゲが来たぞー」

と、言って私と弟のうきわを引いていきますが、そこにもクラゲがいます。どうしよう、どうしようと考えていると、お父さんが、パシャッと、水面をたたきました。なにをしたのだろうと思って見ているとクラゲが二つに分かれていました。私がびっくりしているとお父さんはクラゲにパンチをいれながら進んでいきます。パーンチと言いながらクラゲをたおす姿は、とくさつヒーローのようで、とても面白く、私と弟は楽しげに笑いながらお父さんにうきわを引いてもらって行きました。

浜についた後、帰りの車で、

「お父さん、スゲー」

「お父さん、カッケー」

など、言いながら帰りました。いつもは、あまり感じないお父さんのつよさに、すごいと思いました。

数日後、キャンプで海に入る前に、海の事なら何でも知っているおじさんに、

「海に入るときは、クラゲに気をつけましょう。ですが、ささないクラゲもいまして、この写真に写っている水クラゲというクラゲはさしません」

と言われ、その写真に写っていたのは、お父さんがたいじしたクラゲでした。私は、クラゲに申しわけ無い事をしたな…と思いつつ、

「はぁやっぱりお父さんは、お父さんかぁ」

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