2017年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  高森 絢子

【特別賞】夏休みのある一日

夏休みに入り、僕は平凡な毎日を過ごしている。小学生の頃楽しみだった夏休みは中学生ではそんな

にうれしくない。宿題はびっくりするほど多いし、部活は好きだけど真夏のグラウンドや体育館での部

活はかなりつらい。中学生から夏休みに旅行やキャンプにほとんど行かなくなった。父は単身赴任で東

京にいて、母も会社勤めで忙しく、高二の姉も毎日部活があるのに時折夏期講習で東京の専門学校へ

通っていてかなり忙しい。僕の趣味はカードゲームだ。母に隠れてこっそり集めている。でも先日母に

見つかり取り上げられた。宿題をしないでゲームをしていたからだ。母は

「こんな紙切れにお金を使ってもったいない。今度宿題しないで遊んでいたら売ってしまうから!」

と激怒。母はカードの価値がわかっていない。でも反抗して大切なカードを売られたら大変なので今

は大人しくしている。

お昼に学校のグラウンドでの部活が終わり、帰る準備をしていた時 「水鉄砲で遊ばないか?」

と誘われた。暑くて汗だくだったから、水で遊べると思っただけで部活の疲れも吹っ飛んだ。皆もそ

う思ったらしく八人集まった。誘ってくれた友人の家の近くに公園があって、遊ぶ場所はそこに決まっ

た。道具が無いので公園へ行く前に皆で店に寄った。母から昼飯を買うためもらったお金と、カードを

買うためコツコツ貯めていたお金を足し合わせて水鉄砲を買うことにした。攻撃力のある水鉄砲を買う

ため昼はおにぎりで我慢しよう。水風船も皆でお金を出し合って購入した。まずは準備、水風船に水を

入れ大量の水風船爆弾を作った。これを公園のいろいろな場所に隠した。戦いのルールは、二チームに

分かれて隠した水風船爆弾と水鉄砲を使い敵チームの服をいかに濡らすことができるか、に決まった。

広い公園に皆が隠れ、かけ声無く始まった。攻撃力のある水鉄砲を買ったおかげで遠くまでよく飛

ぶ。敵にかなり命中した。水風船爆弾はなかなか当てるのが難しい。うまく当たると効果大で相手はび

ちょびちょに濡れた。大変なのは水鉄砲の水が無くなった時に水を入れること。公園に水道は一か所し

かないので、攻撃されるのを覚悟で水を入れなければならない。やっているうちに近所の子供達も一緒

に戦い、敵味方関係無く水をかけ、勝ち負けが決められない位全員がびしょ濡れだ。すごい冷たくてす

ごい気持ちよかった。でも転んで泥だらけ、芝生に横たわったので芝だらけになってしまった。やばい、

こんなに汚れて母に怒られる。でも母が帰る前に汚れた服を洗濯機に入れれば大丈夫。良い考えが浮か

んでホッとした。

皆と別れて家に着き、汚れた服を洗濯機に入れてシャワーを浴びて証拠隠滅完了。何事も無かったよ

うにリビングでくつろいだら眠くなってきた。夢だった。すごいリアルだった。明日、部活が終わった

ら、水鉄砲で遊ぶことを提案してみよう。カードゲームも良いけど今は水遊びをしたいと思った。

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