【準ざぶん大賞】お迎え団子
今年もお盆になったから、ばあちゃんちに行った。
「団子を作って」と頼まれるので、私はスキップで台所に向かう。
まず、粉にちょっとずつ水を加える。ちょっとずつ。どうしてそうなのかは忘れたが、水
と粉が一体になっていくところを観察するのは、楽しい。
水を入れたけどまだほとんど粉の中で、四本指を平面的に回す。 なんとなく固く見える粉の白さが、水を足すとやわらかい白になる。 それは、赤ちゃんがにかーっと笑っているように感じた。
だんだんまとまってきて、耳たぶぐらいの固さになったので、丸めた。
次は茹でる。ばあちゃんがお湯を沸かしといてくれた。 熱くなった水は、さっきちょっとずつ加えた水よりうるさい。 団子たちはこの中に入らなくてはならない。
熱いだろうなあ。ああ。
「いってらっしゃい」
と心の声で言いながら、水面の直前で団子を落とす。
お湯のぶくぶくをよけて団子が鍋のはしに逃げていくから、網じゃくしでぶくぶくに連れ
て行く。
それでも全く側面にはりついているから、少しいらいらした。 一、二分経つと、団子がお湯から半分顔を出し、
「あげてー」
と訴えてくる。
「お、こいつはもう茹で上がったな」
団子を網じゃくしで救いあげる。
さあ、氷水に入っておいで。
ボールに用意された氷水、その中のザルに団子が飛び込む。気持ちよさそうに。
はあーっというため息が、もう聞こえてきそうだ。
ツルツルきらきらした団子たちを、かわいいなあと思いながら、水を切った。
「ばあちゃーん。団子できた」
ばあちゃんは小さくてうすい、青いお皿を持ってきた。
私は、形がきれいな団子を一つずつ選んで、ピラミッド形に並べる。 十四個目の団子をそおっとてっぺんに置いた。
両手でお皿を平行に持ち上げ、膝をちょっと曲げてゆっくり歩く。
今の歩き方、変だろうなあ。とか、ああ、団子食べたい。というようなことを考えながら、
ゆっくり、畳の部屋に入った。いつものより豪華な座布団に座った。
目の前には、仏様と、じいちゃんの写真がある。まんじゅうや果物でほぼ隙間のない台に、
ぎりぎりこのお皿が入るほどの面積を見つけた。
じいちゃんの写真の前に団子をお供えして、私は正座をし直す。
かねを鳴らし、両手を合わせて、じいちゃんに「おかえりなさい」と言った。


