2017年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  荒木 崇

【特別賞】二つの水の近くに

私たちは蛇口をひねればいつでもきれいな水が出てシャワーもできる環境にいるが、その環境は世界

中のどこにでもあるわけではない。私が今住んでいるマレーシアに水道も電気もない生活を送っている

人達がいる。去年マレーシアの先住民族の子供達が通う学校に行って音楽交流会をした。子供達は普段

家に帰ると電気がなく、水道がなく、井戸からくみ上げた水を飲み、川で体を洗うという生活を送っ

ている。洗濯機もないから、完全に洋服を洗えていなくてシミがついた服を来ている子が何人もいた。

元々先住民族がいた森はダムやパーム林を作るために切り倒され、彼らは住まいを移動する事を強い

られ森の奥に追いやられている為、村から学校までの送迎は先生達がやっている。学校のトイレは、和

式トイレに似た形で二つあったが片方は詰まっていた。トイレで用をたした後、紐を引っ張っても水が

流れなかった。友達はトイレに行くことを拒否して私達の学校に戻ってくるまで我慢した。

マレーシアのすぐ南隣にあるシンガポールは先進国でありながら、狭い面積にたくさんの人が住んで

いるために、ほぼ全ての食料はもちろん水さえも輸入している。シンガポールの食料自給率はタマゴ約

二十六パーセント、野菜約八パーセント、魚介類約八パーセントだ。マレーシアジョホール州の貯水

池から輸入している水については重大な問題が持ち上がった。これまで両国の契約で決めた量より多く

水がくまれていたが、一月一日の貯水池の水量レベルが低く、二〇一七年が雨の少ない年だったら貯水

池が干上がってしまう可能性があると示された。そのまま干上がってしまうと困ることになる。

しかし、シンガポール政府も輸入以外の方法で水を確保している。一つ目は雨季に雨が大量に降ると

いう気候をいかして雨水を地下に貯水し、その水を浄水して家庭の水道に送っている。二つ目は技術を

活かして下水の水を海に流さず全て浄水し、消毒してもう一度使っている。三つ目は島という地形をい

かして海水から真水を取り出している。水の危機があるのは先進国シンガポールだけでなく世界の多く

の国にある。水道の設備が整っていない国々では今でも遠い井戸まで徒歩でいき重たい水を持ってかえ

らなければならないし、茶色く濁っている水や生活排水や工場からの排水で汚染されている可能性が高

い水を飲まなければならない。その為、汚染された水を飲んだ人たちの間でコレラや赤痢などの病気が

流行してバタバタ死んで行くという事が起きている。世界保健機関(WHO)という機関は世界中で清

潔な水、薬や治療が必要な人達を支援する為にある。

今回の交流会の経験を通して、私の水に不自由のない生活から車で二十分の所にこのような原住民族

の生活があるという事がわかったおかげで、私は今までやると言ってやらなかった水の節約を、子供達

と水の危機の現状を知り積極的になった。水は出しっ放しにしないで、シャワーも短時間で済ませる。

食べ残しはゴミ箱に入れて排水に流さない。

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