2016年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  コジマ ナオコ

【特別賞】クラゲから学んだこと

昨年の夏、防波堤に釣りに行った時のことです。海をのぞきこむと、ポリエチレン袋が漂っています。

私は、釣り竿の先で、そのポリ袋を突いてみました。すると父に、 「それは、ミズクラゲだよ」

と、言われました。よく見ると、確かにクラゲです。すき通った、おわん型の傘の表面には、四つの

丸の模様があり、斜めになったり、逆さまになったりして、水面を漂っています。

「昔、海水浴でクラゲの触手に胸をさされて、ミミズばれになって、痛かったなぁ」

と、父は続けて言います。「そうか、クラゲには触手があって、毒針があるのか」私は、そのすき通っ

た生き物をそれ以上釣り竿で突くのをやめました。

五月の連休に、私は、山形県の加茂水族館に行きました。この水族館は、別名「クラゲ水族館」と呼

ばれる珍しい水族館です。

風船型や楕円形の傘のクラゲ、触手が水槽一ぱいに長いクラゲ、触手が少なく短いクラゲ、透明なク

ラゲ、赤いクラゲ、虫メガネがないと見えないクラゲ、電球が入っているようにきらびやかに光るクラ

ゲが、それはそれは数多く展示されています。

アカクラゲは、大型のクラゲです。触手が長く、成長すると一メートルにもなり、ミズクラゲをえさ

にしているそうです。反対に、シミコクラゲは傘の直径が、五ミリメートルにも満たない小さなクラゲ

です。キタカブトクラゲは、体を取り巻いている泳ぐためのヒダが、波打つように虹色に光り出します。

さまざまなクラゲが、いくつもの水槽に、種類ごとに密集して展示されています。

この水族館で、私にとって興味深い話を聞きました。クラゲは、ほとんどの種類の触手に毒を持ちま

すが、仲間同士が触れ合った場合には、毒を使用しないそうです。敵や異物と接触した時に、触手の

毒針から毒を発射して自分の身を守ります。でも、どうして仲間同士では毒針を使用しないのか、まだ

はっきりとは分かっていないそうです。

この話を聞いて、ふと思うことがありました。二年前の広島の崖崩れや昨年の茨城の洪水、今年の熊

本の地震と大きな自然災害が、増えているように思います。私が住む福島県も東日本大震災の被害か

ら元通りになるまでには、もう少し時間がかかりそうです。

地球は、私達、人間を仲間だとは思っていないのでしょうか。人間が、地球を汚しすぎたからでしょ

うか。削りすぎたからでしょうか。化石燃料を燃やしすぎて温めすぎたからでしょうか。最近の自然災

害を見ると、地球の持つ毒の部分が人間に向かっているような気がします。

私が、クラゲをポリ袋と間違えた防波堤の周辺には、間違えるのが当たり前と思うほどゴミが散乱

しています。私は、こうしたゴミを持ち帰ることから始めようと思います。そして、自然を大切にし、

共存していくことをちかいます。

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