【ざぶん環境賞】レッドデータブックを見て とちぎの絶滅危惧種たち
カワウソのため息。
「明治に日光の大谷川で捕まってこんな姿(はく製)になった。俺はカワウソ。昔は日本各地に仲間がいたんだ。だけど人間どもは俺らの美しい毛皮目的で乱獲したり、川を次々とコンクリートで固めやがった。生きていく場所がなくなっちまったんだ。四国の高知で最後まで粘ったやつもいたんだがな。三十四年前に俺たちは絶滅した」
ミヤコタナゴとマツカサガイが話をする。
「僕らタナゴは君らに卵を生みつける。君らマツカサガイは僕らのヒレやエラで子供の頃は過ごしていた」
「そう、他の魚に食べられないようにね。僕らはお互い助け合って生きてきた」
「でも、川の水が汚濁されたり、河川改修工事なんかで僕らの住める所がなくなってきた」
「僕らは片方だけで生きていくことはできない。どちらかが絶滅すればもう一方も絶滅するしかないんだ」
「僕らは運命共同体だね」
シモツケコウホネがひとり言をいう。
「私は黄色の水草。世界中で栃木県にしか咲かない花。浅くて流れのおだやかな水路が好きなのよ。この水が合ったから栃木でこっそり仲間を増やしたの。でもね、改修工事後の水路は流れが速すぎて私にはつらいの。他の植物が増えてきたのも苦しくて嫌なの。でも、私の価値を知って外来の水草におびやかされないよう管理してくれるようになってきた。小さい黄色い水草だけど弱いばかりじゃない。がんばって生きる」
どじょうが流出していく。
「水田や水路に住んでいる僕はドジョウ。今は仲間がたくさんいるけど、最近外来のドジョウが大量にやってきたんだ。あいつらでかいしちょっとこわい。田んぼから出ていかないといけない日がくるかもしれない。それに、僕ら在来種は農薬に弱いんだ。毒性の強い農薬だと死んじゃうこともある。薬の濃さや回数をちょっとだけ考えてほしいもんだ」
「僕もどじょう。でも、魚じゃなくて土の土壌だよ。僕らみたいな養分のある水をたっぷり含んだ土を土壌というんだ。僕らが雨風で田んぼから流れ出てしまうと生態系は崩れる。植物も動物もあっというまに絶滅してしまうんだ」
ミズバショウが訴える。
「尾瀬で人気の私たちだけど、こんな場所にいなかった。ここは私たちがいてはいけない場所。植えられたの人の手で。私達を守っていこうという気持ちはうれしい。でも元々はいなかった所に私を植えないで。それは自然保護でも保全でもなく破壊なの」
鬼怒川の鬼が怒ってる。
「おめえら、このでれすけども。自然はおめえらのものだけじゃねえ。絶滅してもいいんけ?とちぎの生きもの消えていってだいじなんけ?」


