2018年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  むらかみ ともこ

【特別賞】大雨よりこわい人の心

僕は、雨がたくさん降ると「もっとたくさん降ってほしい」といつも思います。それは雨がたくさん降ると「大雨警報」が出て、学校が休みになるからです。十時までに警報が解除にならなければ喜び、解除になればくやしがります。また、たくさん雨が降ることはいやだけれど、こわいと思ったことはありませんでした。

そんな僕に今年、とても大きな出来事が起こりました。七月二十八日からの大雨と台風七号や梅雨前線の停滞によって、土砂くずれや橋のほう落、家屋被害などが起こったのです。僕の住んでいる町でも「大雨特別警報」が発表され、一時間に一〇八ミリの降水量を記録しました。これまでこんなに雨が降ったことがなかったので、とてもこわく感じました。僕は、これまで大雨に関心が無く、テレビでやっていても全く違う世界のことだと思っていました。しかしその日見た外の風景はテレビで見ていたものと一緒でした。その日は夜も眠れないほどこわかったです。幸い僕の家は被害にあいませんでしたが、同級生の中には被害にあった子もいました。通りなれた道路はくずれ、道には木や土がいっぱいあふれていました。また近くのきっさ店には土砂が入り、同級生のおじいちゃんがテレビのインタビューを受けるなど信じられないことばかりでした。「もしかしたら僕も大雨で死ぬかもしれない」そんなことを考えたら大雨警報に喜んでいた自分が情けなくなりました。数日後、市民グラウンドを通ると、床上浸水などの被害を受けて使えなくなった電化製品がたくさん置いてありました。それを見た僕はさらに被害の大きさを感じました。何も被害の無かった僕にとって「大雨」は終わっていたけれど、被害があった人にとっては、まだ終わっていないことを知りました。またお父さんはこんなことを言いました。

「被害にあっていない人が不要な冷蔵庫などにわざと泥をつけて出しているらしい」というのです。僕はこの話を聞いてとても腹が立ちました。今回の大雨で被害を受け、今でも苦しんでいる人がいるのに、そんなこともわからない人が同じ町に住んでいることが許せませんでした。

僕は今回の経験から「大雨はこわい」と身をもって知りましたが、同時に「被害にあった人の気持ちもわからない人」や「自分さえよければいい人」がいることも知りました。そう思うと人の心は災害よりももっとこわいと思いました。

今後、大雨だけでなく、地震などの災害がいつ起こるか分かりません。今回は被害にあいませんでしたが、いつか僕や家族が被害にあうかもしれません。これからは災害に対して関心を持ち、災害が起きたときは自分勝手な行動はせず、困っている人の力になれるようにしたいです。

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