【特別賞】水の重さを伝えたい
私は読書が大好きです。この夏、心に残る一冊と出会いました。それは、『クニマスは生きていた!』この本を読んで私は、水の重さを伝えたい。伝えなければならないと思いました。十一歳の私には、人間が汚した田沢湖の水を元に戻す大きな力はありません。しかし、人に伝えることができると考えました。
六月十八日午前七時五十八分、大阪府北部に地震が起きました。私はこの時、学校の前の横断歩道を渡ろうとしていました。地面が大きく揺れ、電車が止まり、家に帰ることができなくなりました。その時まさか私の住む高槻市が震源地とは考えもしませんでした。友人のお母さんの車で夕方やっと帰宅すると、生活はいつも通りでした。蛇口をひねると水が出ました。夕食を済ませお風呂に入ることもできました。しかし、数時間後それが一変します。お母さんが私の薬を煎じようと蛇口をひねると水の勢いがなくなっていました。
「水が止まる」お母さんの声にお父さんが、お風呂の残り湯に水を足し始めました。薬を煎じ終わると、水は蛇口から一滴も出なくなりました。経験したことのない状況に、私はショックと不安で言葉が出ませんでした。やかんに洗剤をつけて洗うと、すすぐのに大切な水一リットルを使いました。いつもの癖で洗剤を付けたことをお母さんは後悔し、私も学校で勉強したことをお母さんに伝えることができず悔しく思いました。
社会の授業で汚れた水を魚が住める綺麗な水にするには大量の水が必要だと知りました。たった大さじ一杯の醤油には風呂桶(二百リットル)の水が三杯必要です。コップ一杯の牛乳には風呂桶二十杯、五ミリリットルの油には八百四十杯も必要です。クニマスが住めなくなった田沢湖には、想像を超える量の水が必要であると分かります。また、汚れた水で生きていけないのは人間も同じです。不衛生な水が原因で命を落とすこともあります。
国語の授業で、地球温暖化防止に役立つはずのバイオエタノール作りは水を守り水を綺麗にする働きがある森林を伐採して、地球温暖化を促進していることを知りました。地球温暖化が原因で干ばつが起きています。人間にとって一日に最低限必要な水の量は一人当たり二十リットルです。日本ではその十倍の水を使っています。しかし最低限の水さえ手に入らない国があります。
この本に、「人間が壊してしまった自然環境はどんなに時間がかかっても私達自身の手で元通りにしなければなりません」とあります。水のない不便で不安な二日間を経験した私は、蛇口から綺麗な水が出ることが当たり前ではないと気付き、とても重い言葉だと受け止めました。今すぐ水を汚さない努力を一人一人が始めなければなりません。それが大きな力となります。私は歯磨きの時水を出したままにしない事、そして絵の具のパレットは汚れを拭き取ってから洗う事から始めます。


