【特別賞】水の活躍
手取川の河口に近い、私たちの住む美川地区では至るところで湧水が湧きだしている。湧水が流れる安産川は、美川町に住む人たちにとってとても馴染みの深い川である。透明度が高く、おいしい水だ。私も弟も湧水ポイントで飲んでみて、とても冷たくまろやかで、そのおいしさを実感した。「平成の名水百選」にも選出されているそうだ。
美川地区で、このような湧水が生まれていることはどのような仕組みによることなのだろうか。
白山市は、水を前面に打ち出した「ジオパーク」である。一級河川の手取川の恵みを利用した歴史・文化・産業があり、二〇一一年に「日本ジオパーク」に認定された。これは、白山市の中でコンパクトに水の循環が行われていることによるものだ。
この水の旅は特徴的ルートである「扇状地伏流水」によるものだということが分かった。地表から浸透してきた河川の水は、平地で受け止められ、そのまま地下を流れる伏流水となる。伏流水は扇端部で湧水として現れるのだ。一日の湧水量は五十七・六トンで、水質検査においても、弱アルカリ性でやわらかい口あたりの軟水であるとのこと。多くの人がポリタンクを車につんで、水をくんで持ち帰る。お茶を飲んだり、コーヒーをいれたりお米を炊いたり料理に使ったりするのだ。また、洗い場などが整備されて、野菜を洗ったりくだものを冷やしたりと、昔から住民にとって生活にかかせない財産である。
美川では、湧水のシンボルとなる「はりんこ」(トミヨ)が生息している。昭和三十年頃までは手取川流域の小川にたくさん生息していたのだが、昭和五十年代になり激減し、姿をみることは無くなったという。ところが、平成にはいって、美川地区に確認され始めた。清流の小川を住みかとするはりんこは、絶滅危惧種に指定されており、許可なしに捕獲は禁止されている。
また、環境への意識の向上に貢献するために、湧水のある河川周辺の草刈や清掃活動などを実施したり、地元の親子を対象にする自然観察会の開催をしたり、地元の小学校では「トミヨ」などの地域で貴重な自然の紹介をしたりしている。
このきれいな水のシンボルである「はりんこ」を守るため、そして、私たち美川地区の住民の生活に欠かせない、おいしい水を守るために、生活環境の美化につとめ、自然の恩恵に感謝しながら、これからも生活していかなくてはならない。


