【特別賞】もう怖くない
2022年6月27日
私の家は星野村にあり、家の裏には星野川が流れています。
川の流れる音が毎日聞こえる距離なので、生まれた時から当たり前の音なのですが、たまに来る親戚には、この川の流れる音が気になり、夜眠りになかなかつけないと言います。
こんな近くにある川に、私は夏休みに初めて魚釣りに行きました。
今まで行かなかった理由は一つです。二〇一二年七月十一日の豪雨の時、私は六歳でした。その時の恐ろしい川の流れを見てしまい、あの不気味な川の流れる音を聞いてしまい、怖い場所となったからです。
今は水害の状況を忘れるくらい元に戻ったように見える川ですが、父は昔と流れが変わったと言います。
水害後、川へ行くことはなくなりました。父も川へ近づくことに、あまりいい顔をしなくなりました。しかし、今年は叔父さんが帰省したときに魚釣りに行くというので、一緒に行きました。暑いけど、足元は川に入りひんやり冷たい不思議な感じ。流れに乗って行くウキが今すぐに沈んで魚が釣れたことを知らせてくれるんではないかというドキドキ。全部が楽しく感じました。魚が釣れた時の釣り竿を持つ手に伝わる感覚は新しい感覚でした。次の日も川へ魚釣りに行きました。こんな近くにこんな新しい場所があることに改めて気づきました。
私には川は怖いところというイメージしかなかった場所が、この夏近場にある一番楽しい場所になり
ました。父も子供のころ同じ場所で魚釣りをしたと聞いています。祖父も魚釣りをしたんだと思います。
私はいつか自分の子供にもこの経験を教えてあげたいと思います。もちろん、怖い川の経験も。
当たり前にあると思っている家の裏の星野川がこの先ずっと何十年、何百年もあることを願っています。
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