【特別賞】最後の田植え
「うわっ」
そう言いながら田んぼに足を入れる。
私の通っている小学校では、毎年六月に田植えが行われている。
私にとって今年の田植えは、小学校生活で最後になる。私は毎年(田植えか、いやだな)と、思うと同時に、少しワクワクしている。
田植えの前の給食時間に、校長先生の放送があった。校長先生は、
「田んぼの土は汚いと思うかもしれません。ですが、田んぼの土にはお米が育つ栄養がたくさん入っています」
と、言っていた。
去年、五年生の時、苗を育てた。みんなで、交代で水をあげていた。しかし、ある友達が一度だけ水やりを忘れてしまった。すると、一部の苗がかれてしまったのだ。この時、私は改めて、水の大切さを知った。
今年も、田植えが始まった。今年は、一年生といっしょに田植えをした。一年生といっしょに一列に並んで田んぼに入る。
入る時に、
「うわっ」
と言う。
しかし、すぐに(あ、この感じ、この感じ)と思う。土はぬるぬるして、ひんやりしている。どろ臭いこのにおいも、一年ぶりだ。足がはまって動きにくい。でも、みんな、なんだかんだ言って楽しそうだ。
田んぼには、タニシやカエルがたくさんいた。
全員田んぼに入ったら、六年生が一年生にお手本を見せる。苗の束を持ち、そこから二~三本取って植えていく。保護者の方が引っ張っている紐についている、赤い玉の場所に植える。植えたら一歩下がるを繰り返す。
一年生も、
「これでいいと?」
と聞きながら、植えている。
「ほら、そこにも植えやんよ。そこそこ」
最後には、一年生も上手になった。植える前には一面茶色だった田んぼには、鮮やかな緑色の苗が、きれいに並んでいる。それを見ると、(やりきった!)という気持ちになる。田植えが終わり、田んぼから上がる。
学校に戻って、プールのシャワーをあびた。土を落としてスッキリすると、お待ちかねの時間だ。みんなですいかを食べる。田植えの後のすいかは格別だ。
今は、ほとんどの田植えが機械で行われている。そんななかで、手で苗を植えるのは、特別なことだと思う。
秋には稲かりをして、冬にはそのお米でもちをつく。とても楽しみだ。この貴重な体験を忘れないようにしたい。


