2019年度受賞作品,  ARTIST,  AWARD,  青山 恵

【特別賞】僕とおばあちゃんととうろう流し

僕はおじさんに会ったことがない。おじさんのことで知っていることは、母の弟ということ。そして、おばあちゃんの家に写真があるということぐらいだった。

おばあちゃんの家の辺りでは、お盆が終わるととうろう流しが行われる。僕も毎年参加している。僕はおばあちゃんや母、妹たちと近くの川へ向かう。僕はお祭りに行く時みたいにワクワクする。妹たちも楽しそうだ。ウキウキと足取りが軽い。最後の横断歩道のところまで来ると、さっきまでとは全くちがう風景に変わる。人混みをかきわけながら歩いた。やっと川のところまで着くと、とうろうに火をつけてもらい川に流した。

僕はとうろうを流す時に、しずんだり火がきえてしまわないかとドキドキした。だけど上手に出来てホットした。中には流した後すぐにしずむ物もあった。だけど、僕はおじさんのとうろうがしずんだのを見たことがなかった。風が吹くとぐんぐん前へ進んだ。

それは、まるで僕たちに、

「元気だよ、行ってきます」

と、言っているようだった。

僕はおじさんと話ができたように思った。

こんなことを思いながら川を見ると、数えきれないくらいのとうろうが浮かんでいた。いつもはうす暗い川が、とうろうの明りできらめきをはなっていた。まるで別世界に来たかのような幻想的な明るさに、僕は見とれた。

しばらくして、お焼香をした後、おばあちゃんの家へ帰った。お経がどんどん小さくなり、とうろうの明りも見えなくなって、僕は現実に戻った。

僕は、おじさんとつながることができる、とうろう流しが毎年できてうれしい。大切な家族を亡くした人や、僕と同じように会ったことがないご先祖様への気持ちなど、たくさんの大切な思いがある。

そして、流したとうろうの回収をする人。とうろうがスムーズに流れるように川を掃除する人がいることを知った。

一人一人がごみを川にすてず、川を掃除することで、きれいな川になっていると思う。

とうろう流しという行事がなくならないように、僕も川をきれいにしていきたい。そして、これからの世代にもつないでいきたい。僕もそのためにできることをしていこうと思う。

今年の夏もお盆が終わると、おばあちゃんと母、そして、妹たちととうろう流しに行く予定だ。

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