【ざぶん環境賞】海の音が聞こえる
ザザー、ザザー、午後四時
僕はこの時間から日没までの時間、防波堤に座って海の音︵波の音︶を聞くのが好きだ。海の遠くを見ると瀬戸内海を大型船が通過している。どこへ行くのかな。
海はずっと同じリズムで波がくるわけではなく大きな波や小さな波がぶつかりあって途中ケンカをしている波がある。
それでも聞こえるのは海の音(波の音)だ。その波はキラキラと光りとてもきれいだ。
座っていたけれどつい浜辺へと近づき少しだけ足を入れる。昼間よりぬるい海だ。夕陽に照らされて海面はキラキラと波に乗って揺れながら輝いている。時に、砂が波にのまれ、砂のキラキラも輝いている。シーグラスも波に揺られ浜辺に打ちあげられる。
僕はシーグラスを毎年集めている。
このシーグラスは何年、何十年、何百年と波に揺られて旅をしてきたのかなと想像してみる。
僕のひいおじいちゃんの家は海からわずか五メートル。防波堤のすぐ横に家がある。日没を待ちながら潮の引いた浜辺を歩きながら海の音︵波の音︶を聞く。
夕陽に照らされて真っ赤になる海は本当にきれいだ。日が沈んでからもまだ辺りは明るい。空がオレンジ色からだんだんと青くなりきれいなグラデーションができる。海の音を聞きながら変わりゆく景色を感じて暗い空の下、今度は満天の星空が現れる。
ここは町のあかりがないので、夜になるとプラネタリウムのように星が見える。流れ星も見える。バックミュージックはやっぱり海の音だ。このまま防波堤で眠ってしまいそうだがそうもいかない。合宿のように横一列に並べて布団を敷く。島は涼しいので窓を開けて寝ていると、ザザー、ザザー、と海の音が休まることなく流れる。家族みんなで静かに海の音を聞きながら一人ずつ眠りに入る。
僕はいつも最後だ。
朝の目覚まし時計は海の音だ。音は近く感じるので満潮かなと音をたよりに確かめに行く。
満潮だ。今日も瀬戸内海の沖では大型船が通過している。朝食をすませた後、東の浜へ行ってみるとピンク色のさくら貝がたくさんある。さくら貝はとても薄くてすぐ割れてしまうので持って帰るのが大変だ。東の浜は瀬戸大橋が見える。瀬戸大橋をくぐる大型船は西の浜で見るより多い。
お昼前になると海水浴の許可が下りる。海水浴中はジェットスキーを楽しんでいる人達がここ数年増えている。楽しそうだが正直うるさい。泳いでいる人の近くで猛スピードで走るジェットスキーの音は海の音をかき消し事故にならないか不安になる時もある。
真っ青な空とギラギラと照る太陽の下で今日も海の音を聞きながら日没を迎える。そんな夏休みが僕は好きだ。


